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潜在成長率の各種推計法と留意点

2009年9月30日
調査統計局
一上響 代田豊一郎* 関根敏隆 笛木琢治 福永一郎

  • 現金融機構局

要旨

直接は観察できない潜在成長率を計測するため、中央銀行や学界では、様々な努力が積み重ねられている。本稿では、こうして開発された推計手法のうち、主なものについて、留意点を含めて紹介する。潜在成長率の推計値は、推計手法によってかなり異なる値となりうるうえ、どの手法についても相当の誤差がありうる。とくに、経済の変動が大きい局面では、一般に、推計結果の信頼性は低下する。本稿で紹介するどの手法でみても、潜在成長率は、最近低下傾向にあるが、その低下幅については不確実性が大きい。潜在成長率は、それがどのような推計に基づくものであれ、あくまでもひとつの目安として幅を持ってみておくことが重要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
ただし、 レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問および送付先の変更等に関しましては、日本銀行調査統計局 関根敏隆(E-mail : toshitaka.sekine@boj.or.jp)までお知らせ下さい。