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株式市場における高速・高頻度取引の影響

2013年1月28日
金融市場局 中山興、藤井崇史

要旨

近年の情報通信技術の進歩を背景に、金融商品の電子取引が目覚ましい拡がりをみせている。株式の分野では、わが国でも2010年初に東京証券取引所のアローヘッドが稼働を開始し、高速・高頻度取引(HFT)が本格化した。本稿では、アローヘッド稼働前後の日次データを用い、株式市場へのHFTの影響を定量的に検証した。TOPIX日次データを用いた推計を行った結果、HFTは市場流動性の向上とボラティリティの低下に寄与していることが示唆された。ただし、HFT拡大に伴うプログラムの暴走リスクや人的ミス発生を狙うプログラムの存在などへの対応が、課題として残されている。これらの課題は、経済合理性の観点のみならず、社会厚生的な価値判断を伴う面もあり、望ましい解決の方向は必ずしも自明ではない。今後、バランスのとれた市場形成に留意しつつ、こうした課題を克服するための関係者による検討が一段と重要性を増していくと思われる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融市場局 中山興(kou.nakayama@boj.or.jp)までお知らせください。