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リスク資産間のクロス・アセット相関の高まり

2013年4月15日
金融市場局 小林俊、中山興

要旨

近年、リーマン・ショックや欧州債務危機の発生など金融経済環境が大きく変動する中、リスク資産が一斉に買われたり、売られたりする傾向が顕著となっている。本稿では、こうした状況について、理論的に整理した上で、株式・社債・コモディティのデータを用いて異なるリスク資産間(クロス・アセット)の相関の高まりとその背景を確認する。その結果、クロス・アセット相関の高まりには、リーマン・ショックや欧州債務危機といったマクロ的な不確実性の高まりが影響している可能性が示唆された。このほか、世界的な金融緩和の中で中央銀行にリスクが移転されていることや、新たな取引戦略およびリスク管理手法の変化、価格インデックスを参照する取引の増加なども、クロス・アセット相関の押し上げに影響している可能性が考えられる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融市場局 小林俊(shun.kobayashi@boj.or.jp)までお知らせください。