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米国の労働市場のスラックについて ─労働参加率を中心に─

2014年5月30日
国際局 長田充弘、柴田雄行、長野哲平

要旨

米国経済は緩やかな回復を続けており、失業率も6%台半ばまで低下してきた。こうした中で、米国の労働市場にどの程度のスラック(需給の緩み)が残されているのか、関心が高まっている。もっとも、数ある労働関連指標をみても、金融危機後の改善度合いにはバラつきがあり、スラックの計測は容易ではなく、不確実性も高い。とくに、低下基調を続ける労働参加率については、労働需要の弱さを反映している——残されたスラックが大きい——可能性がある一方、高齢化の進展や、金融危機の影響、女性高齢者の労働参加率上昇トレンドの一服といった構造要因が強く影響している——残されたスラックはそれほど大きくない——可能性もある。スラックを把握するためには、各指標の特徴と限界を認識しつつ、総合的に判断していく必要があり、最近ではFRBもそうした姿勢を強調している。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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