このページの本文へ移動

外国為替市場におけるヘッジファンド

:市場構造や価格形成へのインプリケーション

2015年1月14日
金融市場局 大河理沙

要旨

近年の外国為替市場では、取引高などの面でヘッジファンドのプレゼンスが高まっている。これらヘッジファンドは、マクロ経済見通しなどのシナリオに基づき取引を行う「グローバルマクロ」、統計的分析に基づきトレンドに乗る「CTA」、高速・高頻度での価格提示や裁定取引を行う「HFT」に大別され、外国為替市場の構造や為替レートにも影響を及ぼしているようにみられる。2012年秋以降のドル/円市場でも、(1)グローバルマクロが円安シナリオを描き、(2)CTAがそのトレンドに乗ることで流れを加速させ、(3)この間、HFTは市場に流動性を提供していた、という構図がうかがわれる。外国為替市場の動向を把握するうえでは、ヘッジファンドの投資戦略の特性や、これが市場構造に及ぼす影響を把握していくことが、より重要となっている。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融市場局為替課(代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。