消費者物価コア指標のパフォーマンスについて
2015年11月20日
企画局 白塚重典
要旨
日本銀行は、金融政策の運営に当たって、毎月公表される消費者物価から基調的な変動を見極めるため、総合指数に混入している一時的な撹乱要因を除外した各種コア指標を利用している。もっとも、こうした撹乱要因は常に一定とは限らない点を踏まえ、本稿では、わが国で利用されているコア指標のパフォーマンスについて、分析期間を通じた安定性に注目して検討した。その結果を総括すると、除く生鮮食品、刈込平均値のパフォーマンスが総じて高いことが確認されたが、同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、除く生鮮食品のパフォーマンスが低下していることも確認された。物価の基調を的確に判断し、対外的な説明を行っていくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き除く生鮮食品を中心的な指標としつつも、刈込平均値、除く生鮮・エネルギーなど幅広い指標を活用していく必要がある。
日本銀行から
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