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「総括的検証」補足ペーパーシリーズ(2):わが国における自然利子率の動向

2016年10月14日
企画局 岩崎雄斗、須藤直、西崎健司、藤原茂章、武藤一郎

要旨

自然利子率とは、経済・物価に対して引き締め的にも緩和的にも作用しない中立的な実質金利の水準のことである。金融緩和の基本メカニズムは、伝統的金融政策、非伝統的金融政策にかかわらず、実質金利を自然利子率よりも低位にすることであるため、理念的には、金融緩和の効果を評価するには、観察されない自然利子率を推計し、実質金利の動向を自然利子率との相対的な関係で捉えることが必要となる。本稿では、わが国の自然利子率について、いくつかの方法を用いて推計を試みた。その結果、推計の方法により相当の幅を持ってみる必要はあるものの、最近では、概ね0%程度の低い水準で推移している可能性が高いことが示された。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。

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