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最近のOTCデリバティブ市場の動向 ─OTCデリバティブ統計からみた特徴点─

2017年6月7日
金融市場局 吉崎康則、井上眞希子、塩谷匡介

要旨

OTCデリバティブ取引については、2008年に発生した国際的な金融危機の経験を踏まえ、様々な規制改革が国際的に進められてきた。本稿では、国際決済銀行(BIS)と各国中央銀行が作成しているOTCデリバティブ統計を用いて、一連の規制改革が進む中での、OTCデリバティブ市場の動向について、日本分集計結果とグローバルの結果を比較しつつ、分析した。その結果、(1)本邦機関投資家の投資行動を反映し、米ドル建ての金利・為替デリバティブの残高が増加していること、(2)清算集中義務の開始に伴い金利デリバティブを中心にCCPでの清算が進展していること、(3)コンプレッションを活用してOTCデリバティブの残高を削減する動きが広がっていることなど最近の特徴がデータ面から明らかになった。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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