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銀行勘定の推計値を用いたBIS国際銀行統計の国際比較

2018年10月24日
金融市場局 齋藤香、部山和愛、塩谷匡介*
*現・調査統計局

要旨

BIS国際銀行統計は、国際的に活動する銀行を通じた資金移動や与信動向を把握するため、BISと各国中央銀行が作成する統計である。そのうち、日本銀行がBISへ報告する本邦の計数には、銀行が委託者から信託をうけて資金の管理・運用を行う信託勘定の計数が含まれており、信託勘定の計数が含まれない他の主要国籍銀行の結果と比較する際にはこの点に留意する必要がある。そこで本稿では、信託勘定の計数を含まない本邦の計数を推計した上で、主要国籍銀行との比較を試みた。その結果、邦銀は近年、国際与信を拡大させているものの、他の主要国籍銀行との比較では、国際与信残高の対総資産残高比率はそれほど高くないこと、国際与信に占める米国向け与信の割合が高く、それに伴って通貨別では米ドル建ての割合の高いことが確認できた。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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