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外国為替市場におけるアルゴリズム取引の概要と市場流動性に与える影響


2020年8月3日
金融市場局 福間則貴、門川洋一*
*現・企画局

要旨

近年、外国為替市場では、予め設定したプログラムに基づき自動的に売買を行うアルゴリズム取引のシェアが高まっており、その実態把握が重要となっている。アルゴリズム取引は高速・高頻度で行われるとの一般的特性に着目し、ドル/円スポット市場について同取引を捕捉する指標を作成すると、同取引は2016年頃から上昇傾向にあり、日本時間よりも欧米時間で活発であることが確認された。また、市場流動性に与える影響について、アルゴリズム取引は、平時では流動性の改善に寄与しているほか、新型コロナウイルス感染症の影響で市場環境が悪化した本年2月下旬から3月のストレス時でも、一定の流動性供給機能を維持していたことが示唆された。ただし、短時間で相場が大きく動いた局面では、アルゴリズム取引による流動性供給機能が一時的にせよ低下した可能性も確認された。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
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