このページの本文へ移動

新型コロナウイルス感染症拡大下の米国住宅市場 ―改善の背景と先行きを巡る論点―


2021年2月24日
国際局 中原香織、海道裕太郎、小田剛正

要旨

米国の住宅販売や住宅投資は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けていったん大幅に落ち込んだが、昨年の夏場以降、急速に盛り返している。その背景には、住宅ローン金利が大幅に低下するなど金融環境が緩和されるもとで、(1)2008年の金融危機後に抑制されてきた潜在的な住宅需要の残りが喚起されていることや、(2)感染症の拡大を受けて「都市部の借家」から「郊外の持家」への需要シフトが生じていることが挙げられる。当面は、緩和的な金融環境などを背景に、住宅市場の改善基調は持続する可能性が高い。ただし、住宅市場の一部に過熱感が窺われる点や、感染症の拡大により厳しい経済情勢が続くもとで、住宅ローンの支払い猶予制度の利用者数がなお高水準にある点などには留意が必要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行国際局国際調査課(代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。