このページの本文へ移動

店頭デリバティブ取引データからみた円金利スワップ市場―新型コロナウイルス感染症拡大の影響―


2021年6月10日
金融市場局 井上紫織、三木翔太、源間康史

要旨

金利スワップ取引は、異なるタイプの金利の支払いを取引当事者間で交換する取引であり、金利リスクのヘッジ手段や債券投資の代替手段など幅広い目的で活発に利用されている。本稿では、わが国の円金利スワップ市場の高粒度データを用いて、業態別の取引動向等を中心に事実整理を行った。その結果、各業態の取引動機を映じた新規取引のネットポジションの規模や近年の推移、業態間の取引関係などが明らかとなった。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて国際金融市場が不安定化した2020年3月には、ネットポジションが一部の業態において平時と逆転するなど、市場構造に顕著な変化が生じていたことが確認された。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融市場局総務課(代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。