このページの本文へ移動

大手行の外貨流動性リスク管理の高度化に向けた取組み

English

2024年5月22日

日本銀行金融機構局
金融庁総合政策局

要旨

本邦大手行が海外業務の拡大を続ける中、その基盤となる外貨流動性の安定的な確保は、大手行の最重要課題の一つに位置付けられている。2023年3月には、米国とスイスで銀行部門の混乱が生じるなど、流動性リスク管理の重要性が世界的に再認識された。大手行はこれまで、外貨流動性ストレステストの厳格化・精緻化に加え、予兆管理の見直しや迅速で正確なデータの把握を通じてリスク管理を高度化してきた。金融庁と日本銀行も、共同調査等を通じてそうした取組みを後押ししてきた。この結果、大手行の外貨流動性リスクへのストレス耐性は、従来に比べ着実に強化されている。もっとも、更なる高度化の余地も残されており、今後とも、海外業務のリスクプロファイルや外的環境の変化に合わせ、リスク管理の強化に向けた取組みを継続していくことが期待される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融機構局(代表03-3279-1111 内線6476)までお知らせ下さい。