消費者物価における最近の企業のサービス価格設定行動
2024年8月20日
- 調査統計局 尾崎達哉、八木智之*、吉井彬人
- *現・企画局
要旨
消費者物価におけるサービス価格は、産出価格に占める人件費の比率が高いという特徴を持ち、今後、賃金・物価の相互連関の強まりを通じて、消費者物価の基調的な上昇率が高まっていくための重要なファクターとなる。わが国のサービス価格は、過去、前年比ゼロ%近傍で推移し、きわめて粘着性の高い状態が続いてきた。最近の企業行動を分析すると、春季労使交渉において2年連続で賃金改定率が大幅に加速するなかで、2024年春の価格改定において多くのサービス品目で「期初の値上げ」が広がるなど、足もと、企業の価格設定行動が変化してきている。今後、こうした動きがさらに広がり、基調的な物価上昇率が着実に高まっていくか、幅広い観点から丁寧に見極めていくことが重要である。
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