国際金融規制の実施モニタリングに関する現状と課題
2025年3月24日
金融機構局 中村慎太郎、林眞子、平尾碧菜、松野由嵩、渡辺飛鳥
要旨
FSB(金融安定理事会)等の基準設定主体は、グローバル金融危機以降、国際金融規制を策定するとともに、その着実な実施を促すことで金融システムの頑健性の強化に貢献してきた。一方、一部の主要法域では、バーゼルIII等の実施が進展していない実情もある。そうしたもと、G20は本年2月、過去15年間に策定された金融規制改革の実施状況に対して、FSB等が行ってきた実施モニタリングに改善の余地がないか、これまでの取り組みのレビューを要請するとの議長総括を発出した。日本銀行では、FSBやバーゼル銀行監督委員会において、規制の実施促進に関する委員会等の議長を務めるなど、金融庁と密接に連携しつつ、主導的な役割を果たしている。本稿では、こうした経験を踏まえ、規制の実施促進に向けた各種枠組みを整理したうえで、現状の課題とG20の新たな取り組みを概説する。
日本銀行から
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