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本邦レポ市場のトレンドと近年の特徴点 ―サーベイの長期時系列とFSBレポ統計の個票データ等を用いた整理―

2025年8月4日

金融市場局 浅松啓樹*、浅田司*
*現・金融機構局

要旨

レポ市場は、短期金融市場の主要な部分を構成するほか、債券市場とも密接な関係を有しており、金融市場において重要な役割を果たしている。本邦レポ市場の取引残高は、リーマン・ショック以降増加基調にあり、特に近年は増加ペースが加速している。本稿では、主たる取引業態の動機や取引の特徴を東京短期金融市場サーベイの長期時系列データなどを用いながら確認したのち、近年の取引増加の起点となってきた非居住者について、個別取引の詳細な情報を有するFSB レポ統計の個票データなどを用いて、その特徴を整理した。本邦レポ市場の取引残高が全体として増加するなかで、様々な業態は、本邦金融政策の変遷や市場環境の変化などを踏まえて、取引動機を変化させてきた。特に非居住者について、個票データをみると、2022年以降、特定の年限に偏る形で債券調達を大きく増加させた後、最近では幅広い年限の債券調達と債券運用を両建てで増加させており、取引動機の変化が窺われる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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