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半導体産業におけるグローバル・サプライチェーン再編の動き

2025年8月1日

国際局 東宏香、松瀬澪奈、安藤幸乃*、玉生揚一郎
*現・京都支店

要旨

半導体産業では、アジア地域を中心とした効率的なグローバル・サプライチェーンが構築されてきた。もっとも、同地域に対する供給依存度が高まる中、近年の感染症の発生や地政学的緊張の高まりを受けて、半導体サプライチェーンの脆弱性についても改めて認識されている。各国・地域では、政府が主導する形で、半導体サプライチェーンを強靭化・多様化するために製造拠点の国内回帰を促進する取り組みなどが拡がっている。また、急速に普及が進んでいる生成AIサービスの提供に必要な先端半導体に対する需要が急増しており、半導体の安定的な供給を確保しつつ、自国の競争力を維持・向上するための取り組みは今後も継続すると考えられる。この間、中国では半導体の国産化が急速に進展しており、グローバル・サプライチェーンにおける同国の存在感も高まっている。半導体産業を巡る環境変化がより速く、大きくなっている中、今後も、半導体産業の動向とそのグローバル経済への影響を丹念にフォローしていくことが重要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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