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不確実性下の消費者行動

−不確実性の理論とその定量化−

1998年 7月
中川忍

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら (cwp98j06.lzh 86KB [MS-Word]) から入手できます。

(はじめに)

93年秋をボトムとする今次景気回復局面の特徴のひとつとして、家計貯蓄率の上昇があげられる。これは、オイルショック以降の過去の景気回復局面ではみられなかった現象である。

 本稿の目的は、この背景を分析することである。具体的には、今回の家計貯蓄率の上昇を消費者マインドの萎縮(将来に対する不確実性の高まり)によるものと考え、(1)これを確認するとともに、(2)その理論化・定量化を試み、さらに、(3)その消費支出全体に与えるインパクトを計測する。

 以下の構成は、まず第2節で、最近の貯蓄(消費)動向を簡単にサーベイする。次に第3節で、消費者マインドを評価するための理論モデルを紹介する。第4節では、このモデルを計測し、バブル崩壊以降、とくに今次景気回復局面で将来に対する不確実性が高まっている傾向を確認する。さらに第5節では、第4節で確認された傾向と整合的な不確実性指標を作成し、マクロ消費関数への導入を試みる。最後に第6節で、簡単に締める。