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日本の国債市場のマイクロストラクチャーと市場流動性

1999年 4月23日
宮野谷篤
井上広隆
肥後秀明

日本銀行から

日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズは、金融市場局スタッフ等による調査・研究成果をとりまとめたもので、金融市場参加者、学界、研究機関などの関連する方々から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融市場局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに対するお問合せは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kwp99j01.pdf 280KB) から入手できます。

要旨

本稿は、マーケット・マイクロストラクチャーと市場流動性という観点から、日本の国債市場の特徴点を整理したものである。日本の国債市場は、ディーラー型市場である現物の対顧客市場と、オークション・エージェンシー型市場である先物市場、およびオークション・エージェンシー型を主体とする現物の業者間市場という、構造の異なるいくつかの市場により構成されている。国債市場の流動性について、売買高、ボラティリティの変動パターンという観点からみると、これらの指標が朝方と夕方に上昇するという変動パターンを示すことや、統計発表の前後においてボラティリティが売買高に先行して上昇するといった特徴を示すことが確認された。売買高、ビッド-アスク・スプレッド、マーケット・インパクト、価格の変化スピードといった指標を用いて市場横断的に流動性を比較すると、現物市場よりも先物市場の流動性が高いことや、現物市場の中では10年国債の長期ゾーンやカレント銘柄の流動性が高いという特徴が指摘できる。また、市場流動性が国債の価格形成に与える影響については、近年における銘柄別の発行残高や売買高の平準化がイールドカーブの円滑化に寄与した可能性があること、一方でカレント銘柄に対するプレミアムやスクイーズに伴うプレミアムといった市場流動性に起因するプレミアムが存在することが示唆される。

キーワード:
国債市場、マーケット・マイクロストラクチャー、市場流動性指標、流動性プレミアム