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今求められるリレーションシップ・バンキングの深化

---- 新しいマクロ経済環境に対応した、一段と「濃い」関係の維持・強化を
(金融財政事情 2002年12月20日付 2534号掲載)

2002年12月27日
大山剛

日本銀行から

考査局ワーキングペーパーシリーズは、考査局のスタッフによる調査・研究成果を編集したもので、うちディスカッションペーパーシリーズは、特に金融問題に関する議論の材料を提供すると共に、実務家や研究者等の有識者の方々から幅広くコメントを頂戴することを目的としています。ただし、論文の内容や意見は、日本銀行あるいは考査局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、各論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら (bwp02j03.pdf 49KB) から入手できます。

はじめに

 わが国を巡るマクロ経済環境が大きく変化するに伴い、銀行と借手の長く親密な付合いを前提とした「リレーションシップ・バンキング」も、大胆な見直しが求められている。中小企業をメインの顧客とする多くの銀行にとって、リレーションシップ・バンキングは引き続き主とすべき業務であるが、今後は、借手の信用リスクを能動的に管理出来るような、一段と「濃い」関係の構築が必要である。

目次

  • (借手との「濃く長い」付合いこそ銀行業の本質)
  • (1980年代までは合理性をもっていたが…)
  • (90年代以降、機能不全に陥った理由)
  • (不動産担保や株式持合が低い利ザヤを実現)
  • (借手の質を見極める能力の不足が表面化)
  • (中小企業には一層濃いリレーションシップを)
  • (貸出金利設定の見直しはリレーションシップ・バンキングの下でも必要)
     
  • (図表1)日米銀行の貸出利鞘の推移
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  • (図表2)実質GDP成長率(前年比)の平均値・標準偏差の推移
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  • (図表3)企業の倒産実績率と業況判断DIの関係
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  • (図表4)予想経済成長率の推移