G7諸国における非貿易財相対価格の分析*1
2003年10月
河合正弘*2
粕谷宗久*3
平形尚久*4
日本銀行から
日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
以下には(概要)を掲載しています。全文は、こちら(wp03j08.pdf 963KB) から入手できます。
- *1本稿作成の過程で、伊藤隆敏氏、作間逸雄氏、早川英男氏、吉川洋氏、2002年度日本経済学会秋季大会参加者の方々、日本銀行開催セミナー参加者の方々、また日本銀行スタッフの方々から有益なコメントをいただいた。有永(清水)恵美氏、佐々木明果氏からは研究の補助をしていただいた。本稿に示された意見・見解は筆者個人のものであり、日本銀行あるいは同調査統計局のものではない。
- *2東京大学 e-mail: kawai@iss.u-tokyo.jp
- *3日本銀行調査統計局 e-mail: munehisa.kasuya@boj.or.jp
- *4日本銀行調査統計局 e-mail: naohisa.hirakata@boj.or.jp
概要
非貿易財相対価格を分析するために、消費者の異時点間の最適化行動をベースとする2財2部門モデルを構築し、非貿易財相対価格が、部門間生産性格差、財政支出、累積経常収支から正の影響を受けることを示した。1970年から1999年のG7諸国の年次データを用いた実証分析を行った結果は、我々の理論モデルにおける仮説を支持するものである。特に、日本について言えば、近年の高めの非貿易財相対価格は、部門間生産性格差に加え累積経常収支および市場開放度が影響を与えている。
Key words :
real exchange rate, relative price of nontradable goods, sectoral productivity differential, Balassa-Samuelson hypothesis
JEL classification :
E31, F41