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国際産業連関表からみたアジア太平洋経済の相互依存関係*1

—投入係数の予測に基づく分析—

2004年 3月
高川 泉*2
岡田敏裕*3

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局広報課までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

以下には(要旨)を掲載しています。全文は、こちら(wp04j06.pdf 407KB) から入手できます。

  1. *1本稿の作成に当たっては、日本銀行調査統計局のスタッフ、特に門間一夫氏(日本銀行調査統計局)、鎌田康一郎氏(同)から多くの指導、コメントをいただいた。この場を借りて深く感謝の意を表したい。ただし、本稿で述べられた内容は、全て筆者個人に属し、日本銀行および調査統計局の公式見解を示すものではない。また、本稿のあり得べき誤りの責任は全て筆者個人に属する。
  2. *2調査統計局 e-mail: izumi.takagawa@boj.or.jp
  3. *3調査統計局 e-mail: toshihiro.okada@boj.or.jp

(要旨)

 アジア国際産業連関表は、アジア太平洋諸国間の経済構造や域内の相互依存関係を定量的に分析できる有益なツールであるが、作成に多大な労力と時間を要し、公表が対象年から大幅に遅れてしまう。本稿では、こうしたタイム・ラグの問題を解決するために、アジア国際産業連関表の投入係数を予測する新たな手法を提案する。我々の予測手法は、産業連関表の投入予測手法として一般的に用いられるRAS法に、速報性の高いマクロの貿易情報を取り込んだところに特徴がある。改良の結果、RAS法のみを用いて予測した場合に比べ、予測精度を大きく向上させることができた。これにより、今まで見ることができなかった通貨危機後のアジア域内の相互依存の姿や通貨危機を挟んだアジア各国の経済構造の時間的変化を分析することが可能となった。