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非上場企業における企業間信用の役割:日本の金融危機下の経験からの含意

2006年10月
福田慎一*1
粕谷宗久*2
赤司健太郎*3

 全文は英語のみの公表です。

要旨

 企業間信用は、銀行から円滑な借入ができない際の代替的な資金調達としての側面がある。しかしながら、金融危機の下で銀行借入が大幅に収縮するような状況では、取引先企業はむしろ延滞や貸し倒れを恐れて企業間信用を収縮させる可能性もある。取引先企業自体が資金不足に陥れば、企業間信用はさらに収縮するとも考えられる。各非上場企業の企業間信用の決定要因を推計した場合、借入金と企業間信用との間には有意な負の関係があり、銀行借入が少ない企業ほど企業間信用を多く受けているという代替関係があることが確認された。しかし、不良債権比率や株価といったメイン・バンクの健全性の悪化は、借り入れ企業と主要仕入れ先企業のいずれのメイン・バンクであっても、企業間信用に対して有意な負の影響を及ぼした。この結果は、取引銀行の健全性の悪化が、銀行貸出だけでなく企業間信用も収縮させ、デフレ下の日本経済における中堅・中小企業の活動を大きく制約した可能性を示唆するものである。

本稿の改訂前の版は、9月15-16日一橋大学で開催されたJAE国際会議で報告されたものである。同会議において植杉威一郎氏他参加者から、および日本銀行のスタッフからは、有益なコメントを頂戴した。なお本稿で述べられた意見・見解は筆者達個人のものであり、日本銀行あるいは同調査統計局の公式的意見・見解ではない。

  1. *1東京大学 E-mail: sfukuda@e.u-tokyo.ac.jp
  2. *2調査統計局 E-mail: munehisa.kasuya@boj.or.jp
  3. *3東京大学

日本銀行から

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