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日本経済の変動要因:生産性ショックの役割

2006年 1月
宮尾龍蔵*1

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。

商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

以下には(要旨)を掲載しています。全文は、こちら(wp06j01.pdf 170KB) から入手できます。

 本稿のベースとなる未定稿は、東京大学・日本銀行共催研究会「1990年代以降の日本の経済変動」、および大阪大学と一橋大学のセミナーで報告し、塩路悦朗、西村清彦、黒田昌裕、福田慎一、木村武、白塚重典、小川一夫、小野善康、チャールズ・ホリオカ、齊藤誠、祝迫得夫、岩壷健太郎各先生方はじめ、研究会・セミナー参加者から有益なコメントやフィードバックをいただきました。また本稿の作成過程において、肥後雅博氏から関連文献をご教示いただきました。記して感謝申し上げます。言うまでもなく、本稿に残された誤りは筆者の責に帰するものです。

  1. *1神戸大学経済経営研究所 e-mail: miyao@rieb.kobe-u.ac.jp

要旨

 本稿は、GDPギャップ、全要素生産性(TFP)、株価、金利の4変数からなる単純なVARモデルを構築し、日本における生産性ショックの役割を定量的に検証することを目的とする。分析に先立ち、TFP系列と景気との同調性・内生性の問題について検討し、不完全競争や収穫逓増の影響、因果性テストによる外生性の検証などを行った。また単純なAD-ASモデルを使って、長期停滞の真因に関するこれまでの論争の整理も試みた。VAR分析の結果から、(i)生産性ショックはGDPギャップに対して持続的な正の影響をもたらすことが示され、持続的な生産性ショックの効果は、長期的な成長見通しを通じて、総需要へもフィードバックする可能性が示唆された。また(ii)GDPギャップの要因分解から、特に1993年以降、負の生産性ショックが継続して発生し、それが90年代以降の需要不足を説明する基調的な要因となったことが示された。