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ビジネスサイクルの安定化と生産の短期変動の拡大

2007年10月
木村 武*1
塩谷匡介*2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

近年、他の先進諸国と同様に、日本の生産の変動(ボラティリティ)が低下傾向にある。本稿は、その原因を探るために、生産変動の周波数分解に焦点をあて、周期別にみた生産変動の特徴について分析した。分析の結果、(1)生産変動の低下は、主に、ビジネスサイクル周期において発生している、(2)ビジネスサイクル周期における生産変動の低下幅は、出荷(需要)の変動の低下幅に比べて大きい、(3)一方、短期周期においては、出荷の変動が低下する一方で、生産の変動は拡大している、という3つの事実が浮かび上がった。これらの事実は、経済の需要サイドと供給サイドの変化が複数重なって発生したものであるが、生産変動の周期別の特徴は、企業における生産在庫管理技術の向上を抜きにして説明することはできない。すなわち、生産在庫管理技術の改善を背景に、企業は需要変動に対して小刻みに生産調整を行うことが可能となった結果、生産の短期的な変動が拡大したが、出荷と生産のズレから発生する意図せざる在庫の変動を小幅に抑制することで、景気循環の振幅——つまり、ビジネスサイクル上の生産の変動幅——の抑制につながったと考えられる。本稿は、この点を、理論モデル(Linear Quadratic Inventory Model)を用いたシミュレーションによって、確認した。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail: takeshi.kimura@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail: kyousuke.shiotani@boj.or.jp

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