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地価とファンダメンタルズ —加重平均公示地価指標を用いた長期時系列分析—

2007年3月
中村康治*1
才田友美*2

要旨

 本稿では、マクロ経済指標との対比で分析する際に適切と考えられる「加重平均公示地価」指標を用いて、実質地価と実体経済に関する長期時系列分析を行った。共和分分析の結果、所得や金利、期待成長率等の経済のファンダメンタルズ指標から算出される割引現在価値と実際の実質地価との間には、共和分関係が見出されるケースが多くみられた。また、人口要因が、実質地価に影響を与えている可能性が示された。得られた共和分関係を用いて推計した誤差修正モデルによると、割引現在価値の変動のほかに、金融機関貸出や人口動態の変化も実質地価の変動に影響を与えてきたことが分かった。最近、地価の下落幅が縮小、あるいは上昇に転じている例がみられるが、こうした動きは、低金利が継続する状況の下で経済のファンダメンタルズが好転していることを反映した割引現在価値の上昇、理論地価への収斂、金融機関貸出の下落に歯止めがかかったこと、が影響している。

キーワード:加重平均公示地価、割引現在価値、共和分分析、誤差修正モデル
JEL Classification: C32, E39

分析にあたっては、荒井千恵氏(日本銀行調査統計局)の多大な協力を得た。本稿の作成過程においては、西村清彦氏(日本銀行審議委員)、松林洋一教授(神戸大学)、阿部修人助教授(一橋大学)、関根敏隆氏(BIS)、および早川英男氏、前田栄治氏、木村武氏、肥後雅博氏をはじめとする日本銀行スタッフより数多くの有益な示唆を受けた。記して感謝したい。もちろん、有り得べき誤りは全て筆者達に帰するものである。また、本稿に記された意見・見解は筆者個人のものであり、日本銀行及び調査統計局の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局; e-mail:kouji.nakamura@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局; e-mail:yumi.saita@boj.or.jp

日本銀行から

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