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期越えオペの効果の識別

2009年10月
大山慎介*1
谷口健*2
廣瀬康生*3

要旨

 本稿では、内外の金融市場で資金逼迫感が強まった2007年秋以降の局面に焦点を当てて、年末・年度末越えのターム物資金(以下、「期越え資金」)を供給する日本銀行の資金供給オペレーション(以下、「期越えオペ」)の効果を分析する。具体的には、まず、期越え資金の銀行間金利のうち金利の期間構造に関する期待仮説からの乖離部分を「期越えプレミアム」として計測する。次に、期越えオペと期越え資金の銀行間市場との関係をモデル化し、データとしては観察されない「オペが行われなかった場合に形成されていたであろう期越えプレミアム」と「オペが行われた後に実現した期越えプレミアム」の差を識別し、期越えオペの効果として評価する。分析の結果、(1)2007年12月末や2008年3月末に向けて金融市場で資金の逼迫感が強まった局面では、期越えオペの積極的な実施が期越えプレミアムを相応に押し下げていたこと、(2)2008年12月末や2009年3月末に向けた局面では、期越えオペが前年同期と比べて一段と強力な効果を発揮したこと、(3)2008年秋以降、期越えオペが大きな効果を示したのは、オペの規模が大きかったうえ、資金不足主体の期越え資金の調達意欲が強かったためと評価できることなどが明らかになった。

キーワード:
資金供給オペレーション、期越え、金融政策

JEL分類番号:
E50, E52, E58, G10

本稿の作成に当たり、日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。ただし、あり得べき誤りは筆者個人に属する。本稿の内容や意見は、筆者個人に属するものであり、日本銀行および同企画局の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行企画局(E-mail: shinsuke.ooyama@boj.or.jp)
  2. *2日本銀行企画局(E-mail: ken.taniguchi@boj.or.jp)
  3. *3日本銀行企画局(E-mail: yasuo.hirose@boj.or.jp)

日本銀行から

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