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アジア金融市場の連関:マクロと金融の不一致

2011年8月
藤原一平*1
高橋耕史*2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿では、Diebold and Yilmaz (2009)によって提案されたSpillover Indexを用いて、「アジアの金融市場が、互いに、そして、先進国の金融市場とどのように連関しているのか」、「アジアの金融市場および実体経済活動の変動の源泉はどこにあるのか」、といった点を明らかにする。株式市場については、G3、 NIEs、ASEAN4といったグループに分けてみても、それぞれのグループ内での連動性の変遷は、非常に似通ったものとなっており、これら地域の株価変動が、主に世界共通の要因を映じたものであることがわかった。さらに、株や国債といった金融市場においては、米国が変動の源泉となっている一方、鉱工業生産については、近年、中国が変動を主導する傾向が強まっていること、すなわち、変動の源泉がマクロと金融では異なる可能性があることもわかった。

  1. *1日本銀行金融市場局 E-mail : ippei.fujiwara@boj.or.jp
  2. *2日本銀行総務人事局(カリフォルニア大学サンディエゴ校留学中)

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