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サーチ・マッチングモデルにおける労働市場制度の重要度と国際比較によるデータ分析結果との整合性について

2012年2月20日
平田渉*1

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿では、サーチ・マッチング摩擦を労働市場に組み込んだモデルが、各国間の景気循環の特徴の違いを説明できるのか、分析を行う。中でも、雇用保護と失業者の補償所得の複合的効果が、本稿の主要な論点である。本稿では、はじめに、OECD加盟諸国の間では、雇用保護の度合いが強く所得補償率が低い国ほど、実質賃金の標準偏差が失業の標準偏差対比で相対的に大きくなるという実証結果を提示する。ただし、OECD加盟諸国の間では、雇用保護と所得補償率の間に正の相関があるため、これら2つの労働市場制度のシステマティックな違いの影響は不確定となり得る。次に、本稿の分析結果から、サーチ・マッチング摩擦を組み込んだ現代マクロモデルから得られるインプリケーションは、上記の実証結果と概ね整合的であることが示される。すなわち、モデルでも、解雇コストが高くなるほど、また所得補償率が低くなるほど、実質賃金の標準偏差が、失業の標準偏差対比で高くなる。この結果は、労働市場以外の市場構造に関して、代替的な設定を行った場合でも頑健である。最後に、本稿の分析結果からは、上記の2つの労働市場制度のインフレ率への影響は小さいことが示された。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : wataru.hirata@boj.or.jp

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