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金融安定化政策の厚生分析

2013年3月1日
寺西勇生*1
中村康治*2
宗像晃*3

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿では、ローン市場におけるサーチ・マッチング・メカニズムを通じた金融市場摩擦を、確率的動学的一般均衡モデルに導入している。こうした金融市場摩擦が存在する下では、2次近似された社会厚生は、インフレ率、産出量ギャップに加えて、ローンの需給関係、ローン貸出量、ローン契約の終了確率などの与信に関する変数を含むことになる。この結果は、最適政策を行うためには、与信の変動を考慮する必要があることを解析的に示している。このため、最適な金融政策と金融安定化政策は、物価安定だけではなく、金融安定を同時に達成しなければならない。

本稿の作成に当たっては、青木浩介氏、および日本銀行スタッフから多くの助言・コメントを頂戴した。記して感謝の意を表したい。ただし、本稿で示した見解は筆者個人に帰属するものであり、日本銀行および金融機構局の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行金融機構局 E-mail : yuuki.teranishi@boj.or.jp
  2. *2日本銀行金融機構局 E-mail : kouji.nakamura@boj.or.jp
  3. *3日本銀行大分支店 E-mail : kou.munakata@boj.or.jp

日本銀行から

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