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通貨オプション市場における投資家センチメントの要因分析:機械学習アプローチ

2020年10月26日
鷲見和昭*

要旨

本稿では、ドル/円に関する主体別にみた投資家センチメントを分析するため、日本における取引情報蓄積機関や金融機関からの通貨オプション取引報告データを用いて、ランダムフォレストおよび勾配ブースティング(XGBoost)による要因分析を行った。投資家センチメント指数は、月内の新規取引(想定元本ベース)のうち「コールオプションの買い・プットオプションの売り(ドル/円の上昇を予測)」と「プットオプションの買い・コールオプションの売り(ドル/円の下落を予測)」のポジションの差分によって構築した。

分析結果をみると、米国のイールドカーブは事業法人・機関投資家双方のセンチメントに影響する一方、米国の通商政策に関する不確実性は事業法人のセンチメントへの影響が大きいことが窺われる。さらに、米国のイールドカーブと米国の通商政策に関する不確実性の変数重要度や他の変数との交互作用は、VIX指数以上に大きく、モニタリングの観点からは、これらの様々な不確実性指標を点検する必要があることが示唆された。今後の課題としては、データの蓄積およびクレンジング精度の向上が挙げられる。

JEL 分類記号
F31、G11、G23

キーワード
機械学習、通貨オプション、高粒度データ、投資家センチメント

本稿は、2020年人工知能学会全国大会・2020年統計関連学会連合大会において報告された論文を改訂したものである。本稿の作成にあたり、上記の学会参加者および日本銀行スタッフより、有益なコメントを頂戴した。記して感謝の意を表したい。本稿のあり得べき誤りは筆者個人に帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  • 日本銀行金融市場局 E-mail : kazuaki.washimi@boj.or.jp

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