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「大きすぎて潰せない問題」に対する改革とシステミック・リスク

2021年2月26日
一上響*1
木村優吾*2
白木紀行*3
古川角歩*4

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿は、Δ(デルタ)CoVaRSRISKを用いて、「大きすぎて潰せない問題」に対する改革の効果を検証した。これら市場ベースのシステミック・リスク指標の推移をみると、改革によって、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)のシステミック・リスクへの寄与が、他の銀行よりも低下したことが示唆される。また、これらのシステミック・リスク指標は、システミック・リスクが大きいG-SIBほど、改革によって同リスクが低下したことも示唆している。これらの結果は改革の目的と整合的であり、分位パネル回帰を含む統計分析によって確認された。また、SRISKの一般的に用いられている推定値を使用する際には、データの集計対象の拡大を調整するために、一部の金融機関のデータを使用することが重要である。さらに、SRISKは、総損失吸収力(TLAC)適格債券の役割を考慮しないことで、近年のシステミック・リスクを過大評価している可能性がある。

キーワード
大きすぎて潰せない、システミック・リスク、金融規制、CoVaRSRISK

JEL分類番号
G21, G23, G28

本稿の作成に当たり、「大きすぎて潰せない問題」に対する改革の影響評価に関する金融安定理事会(FSB)ワーキンググループのメンバー、特にClaudia Buch氏、Simon Firestone氏、Nellie Liang氏、および日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。また、Δ(デルタ)CoVaRを計算するためのコードは平形尚久氏およびその共著者から共有して頂いた。ただし、残された誤りは筆者らに帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行金融機構局(現・那覇支店) E-mail : hibiki.ichiue@boj.or.jp
  2. *2日本銀行金融機構局(現・総務人事局) E-mail : yuugo.kimura@boj.or.jp
  3. *3日本銀行金融機構局 E-mail : noriyuki.shiraki@boj.or.jp
  4. *4日本銀行金融機構局 E-mail : kakuho.furukawa@boj.or.jp

日本銀行から

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