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「オルタナティブデータ消費指数」の開発:オルタナティブデータを用いた個人消費のナウキャスティング

2022年3月30日
大久保友博*1
高橋耕史*2
稲次春彦*3
高橋優豊*4

要旨

近年、マクロ経済分析の分野において、既存統計とは異なる情報源に基づく非伝統的なデータ、いわゆる「オルタナティブデータ」に対する関心が高まっている。本稿では、速報性に優れるオルタナティブデータを用いて、既存統計の公表よりも早いタイミングで、マクロ的な個人消費の動向を捕捉することを試みる。具体的には、3種類のオルタナティブデータ、すなわち、(1)クレジットカードの利用履歴(JCB消費NOW)、(2)POSデータ(METI POS、GfK)、(3)家計簿アプリの支出記録(マネーフォワード)、を合成した指標「オルタナティブデータ消費指数(ALC)」を構築し、これを用いて日本銀行が作成・公表している消費活動指数のナウキャスティングを行う。ALCは、消費活動指数が公表される約3週間前(対象月の翌月半ば)というきわめて早いタイミングで集計可能であり、速報性に優れている。分析結果によれば、ALCのナウキャスティング精度は総じて良好であり、2020年春以降における新型コロナウイルスの感染拡大に伴う消費活動の大きな変動についても、的確に捉えている。本稿の分析結果は、オルタナティブデータが、マクロの消費活動を迅速かつ的確に捉えることができる点で、経済情勢を把握するための強力なツールであることを示している。

JEL 分類番号
C49、E21、E27

キーワード
ナウキャスティング、オルタナティブデータ、個人消費

本稿の作成にあたり、亀田制作氏、川本卓司氏、須合智広氏、長野哲平氏、中村康治氏、八木智之氏および日本銀行スタッフから有益なコメントを頂戴した。ただし、本稿のありうべき誤りは全て筆者ら個人に属する。本分析にあたって、マネーフォワード社より、本稿の研究目的のために、個人が特定できない形に加工された統計情報の提供を受けた。なお、本稿に示される内容や意見は、筆者個人に属するものであり、日本銀行、マネーフォワード社の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : tomohiro.ookubo@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局(現・総務人事局) E-mail : kouji.takahashi-2@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局 E-mail :haruhiko.inatsugu@boj.or.jp
  4. *4日本銀行調査統計局 E-mail :masato.takahashi@boj.or.jp

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
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