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外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ(2004年4月中 取引高調査)について:日本分集計結果

2004年 9月29日
日本銀行金融市場局

日本銀行から

 以下には、本調査の概要および調査結果の主な特徴点を掲載しています。本調査のデータを含む全文は、こちら(deri0404.lzh 319KB[MS-Word, MS-Excel])から入手できます。

1.本調査の概要

 各国中央銀行等では、国際決済銀行(BIS)の取りまとめの下で、3年毎に自国・地域の外国為替(外為)市場および店頭(OTC)デリバティブ市場の取引高等について同時に調査を実施している(注1)。今回の調査結果は2004年4月中の取引高に関するものである(注2)

 このうち、日本分集計結果は、本邦銀行等52行庫、外資系銀行27行、本邦証券会社4社、外資系証券会社5社の計88先を調査対象としている。また、本調査では、外為取引を3種類、デリバティブ取引を5種類に分類し(注3)、それぞれについて、通貨別、取引相手先別、国内外別に集計している。

 なお、BISでは、参加各国・地域の調査結果を集計し、グローバル・ベースでの外為・デリバティブ取引高統計を日本分集計結果と同時に公表している(BISのホームページ<http://www.bis.org/publ/rpfx04.htm(外部サイトへのリンク)>より入手可能)。

  • (注1)BIS取りまとめによる同時調査は、外為取引高については86年から、デリバティブ取引高については95年から開始されている。
  • (注2)今回の調査では、日本銀行を含む52か国・地域の中央銀行等により、約1,200の金融機関等を対象に実施された。参加国・地域については別添2参照。
  • (注3)(1)外為取引……スポット、フォワード、為替スワップ
    (2)デリバティブ取引
     ・金利関連取引……FRA(金利先渡し取引)、金利スワップ、金利オプション
     ・外為関連取引……通貨スワップ、通貨オプション

2.BISサーベイ調査結果の主な特徴点

I.外為取引(スポット、フォワード、為替スワップ合計ベース)

  1. (1)わが国外為市場の1営業日平均総取引高は、1,989億米ドルと前回調査比+35.5%増加した(図表1)。ただし、グローバルベースの取引高に占めるシェアは、前回調査時の9.1%から8.3%に低下(別添3)
  2. (2)相手先別では(図表1)、対顧客取引が大幅に増加(同+156.3%)。また、形態別では(図表2)、為替スワップが引続き増加した(同+38.0%)ほか、スポット取引も増加に転じた(同+44.1%)。
  3. (3)対顧客取引を中心に外資系金融機関の取引の増加幅が相対的に大きかったため(同+42.7%、図表3)、外資系金融機関のシェアは引続き拡大(前回67.5%→今回71.1%)。
  4. (4)通貨別構成比をみると、ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円を除いたその他取引のシェアが拡大(前回13.4%→今回20.8%、図表4)。
  5. (5)取引高上位10先および同上位20先の取引全体に占めるシェアはともに上昇(図表6)

II.デリバティブ取引(FRA、金利スワップ、金利オプション、通貨スワップ、通貨オプション合計ベース)

  1. (1)金利関連取引と外為関連取引を合計したわが国デリバティブ市場の1営業日平均総取引高は、金利関連取引(前回調査比+96.1%)を中心に、394億米ドルと同+81.8%の増加(図表7)。ただし、グローバルベースの取引高に占めるシェアは前回調査時の2.9%から2.6%に低下(別添3)
  2. (2)金利関連取引では、金利スワップが同+75.2%、金利オプションが同+301.3%と大きく増加した(図表7)
  3. (3)外資系金融機関の取引が著増し(同+187.5%)、デリバティブ取引に占めるシェアは本邦金融機関を逆転した(外資50.6%:本邦49.4%、図表10)。
  4. (4)相手先別では、対顧客取引が+201.3%と大きく増加(図表11)
  5. (5)デリバティブ市場全体における取引の集中度についてみると、上位10先、上位20先ともに前回調査比シェアが上昇(図表12)

<本件に関する照会先>

 外為取引…金融市場局

外国為替平衡操作担当(03-3277-2560)

 デリバティブ取引…金融市場局

金融市場分析担当 (03-3277-1003)


(別添1)

I.外国為替取引高計表(スポット、フォワード、為替スワップ合計ベース)(注1)

(図表1)わが国外為市場の1営業日平均総取引高

  • 図表1

(図表2)インターバンク取引・対顧客取引の取引形態別1営業日平均取引高

  • 図表2

(図表3)本邦・外資系金融機関別の取引動向

  • 図表3

(図表4)通貨別取引動向

  • 図表4

(図表5)インターバンク取引に占めるブローカー経由取引比率

  • 図表5

(図表6)外国為替取引集中度

  • 図表6

II.デリバティブ取引高計表(FRA、金利スワップ、金利オプション、通貨スワップ、通貨オプション合計ベース)

(図表7)わが国デリバティブ市場の取引形態別1営業日平均取引高

  • 図表7

(図表8)金利関連デリバティブ取引の金利別シェア

  • 図表8

(図表9)外為関連デリバティブ取引の通貨別シェア

  • 図表9

(図表10)本邦・外資系金融機関別取引動向

  • 図表10

(図表11)取引相手先別取引動向

  • 図表11

(図表12)デリバティブ取引集中度

  • 図表12

(別添2)

参加国・地域一覧(太字は今回新たに参加した国・地域)

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バーレーン、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、ラトビアリトアニア、ルクセンブルグ、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、英国、米国の計52か国・地域。


(別添3)

主要市場の1営業日平均取引高

  • 1.外為取引表
  • 2.デリバティブ取引表