デリバティブ取引に関する定例市場報告(2023年6月末)について
2023年9月7日
日本銀行金融市場局
日本銀行では、このほど、わが国における「デリバティブ取引に関する定例市場報告(2023年6月末時点)」を公表した。当該期の特徴は概略以下の通りである。
1.デリバティブ取引残高の規模
(1)想定元本ベースの取引残高
わが国の主要デリバティブ・ディーラーによる2023年6月末のデリバティブ取引残高について想定元本でみると、OTC取引が75.2兆米ドル(前期比+8.3%)、取引所取引が8.8兆米ドル(同+42.6%)となっている。
(2)市場価値ベースの取引残高
OTC取引残高をグロス市場価値ベースでみると、正の市場価値が9,180億米ドル(前期比-12.8%)、負の市場価値は9,499億米ドル(同-10.3%)となっている。
2.通貨別内訳の動向
OTC取引の通貨別内訳(想定元本ベース)をみると、金利関連取引では、米ドル、円、ユーロのいずれも増加した。外為関連取引では、米ドルおよび円が増加し、ユーロは減少した。
3.取引相手先別内訳の動向
OTC取引の取引相手先別内訳(想定元本ベース)をみると、金利関連取引では、対報告対象金融機関の取引(以下、ディーラー間取引)や対報告対象外金融機関(うちCCP)の取引(以下、CCPとの取引)などが増加した。外為関連取引では、ディーラー間取引が増加した。クレジット・デリバティブでは、ディーラー間取引やCCPとの取引などが減少した。
4.残存期間別内訳の動向
OTC取引の残存期間別内訳(想定元本ベース)をみると、金利関連取引では、すべての年限において増加した。外為関連取引では、1年以内が増加した一方、1年超5年以内および5年超は減少した。クレジット・デリバティブでは、すべての年限において減少した。