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「販売統計合成指数」の解説

2009年6月
日本銀行調査統計局

作成部署、作成周期、公表時期等

作成部署
調査統計局景気動向担当
作成周期
月次
公表時期
原則として翌々月上旬
公表方法
インターネット・ホームページ
刊行物等
「金融経済統計月報」
データ始期
1993年4月

1.目的・機能

「販売統計合成指数」は、「販売する側」から消費動向をとらえることを目的に、代表的な販売統計の動きを合成したものです。

具体的には、大型小売店販売額、新車登録台数、家電販売額、旅行取扱額、外食産業売上高の各系列を基準年を100として指数化した上で、家計の支出金額ウェイトで加重平均して算出しています。その際、物価変動が販売額に与える影響を除去するため、各種の販売統計は消費者物価指数(CPI)で実質化しています。ただし、この指数は、各種の販売統計をまとめて見るには便利ですが、サービス支出のカバー率が低いほか、全ての業態を網羅しているわけではないといった点には留意が必要です。

2.公表系列

以下の2つの系列について、実質ベースの季節調整済指数を公表しています。

(1)「店舗調整前」系列
新規店舗の出店や既存店舗の閉店といった店舗数の変化に伴う売上高の変動も反映される系列(含むコンビニエンスストア)。
(2)「店舗調整後」系列
継続的に売上高を把握できる店舗分の動きのみを反映した系列。特定時点の店舗調整前の計数をベンチマークとして、公表されている店舗調整後前年比を用いて算出しています。ただし、店舗調整前系列と異なり、データの制約からコンビニエンスストアは含まれていません。

なお、毎月の公表値は、公表日に入手可能な一次統計の情報のみを織り込んだ速報値であり、翌月以降に確報値に改訂することがあります。また、一次統計の改訂などに伴い、過去の計数が遡及的に訂正される場合があります。

3.作成方法

まず、以下の各分類について、集計項目毎の販売金額を、項目に該当するデフレーターで実質化した後(ただし、車については台数そのものを使用)分類単位で合計し、基準年を100として指数化します。次に、これを家計調査2005年の消費支出金額をウエイトとして加重平均し、指数を算出します。

4.季節調整

毎年3月の計数が公表された時点で、X12-ARIMAを用いて季節調整替えを行い、その後1年間は予定季節要素を用いて季節調整値を算出しています。

集計項目等一覧

(1)集計項目

表 集計項目
分類 集計項目 資料
食料品 大型小売店 業態別・商品別販売額(百貨店、スーパーの飲食料品、コンビニエンスストアの商品販売額) 経済産業省「商業販売統計」
衣料品 大型小売店 業態別・商品別販売額(百貨店、スーパーの衣料品) 経済産業省「商業販売統計」
家具 大型小売店 業態別・商品別販売額(百貨店、スーパーの家具) 経済産業省「商業販売統計」
家電製品 業種別商業販売額指数(機械器具小売業) 経済産業省 「商業販売統計」
乗用車 乗用車・新車販売(登録)台数 日本自動車販売協会連合会「自動車国内販売」
軽乗用車 軽乗用車・新車販売(登録)台数 全国軽自動車協会連合会「軽自動車新車販売速報」
外食 外食産業売上高 日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」
旅行 旅行取扱額(国内・海外計) 観光庁「旅行業者取扱額」

(2)デフレータ―

以下の項目について、総務省「消費者物価指数」を使用。なお、家電製品を除く各項目については、消費者物価指数を加重平均して算出しているが、家電製品については、パソコン価格下落等に伴う指数算出上のバイアスを回避するため、幾何平均を用いて算出。

表 デフレータ―
分類 消費者物価指数 分類名・品目名
食料品 「食料(除く「外食」)」(ただし、コンビニエンスストア売上高のデフレーターは、「食料(除く「外食」「生鮮魚介」「生鮮肉」「生鮮野菜」「生鮮果物」)」)
衣料品 「被服及び履物」「身の回り用品(除く「腕時計」「腕時計修理代」)」
家具 「一般家具」「カーペット」「カーテン」
家電製品 「家事用耐久財」「冷暖房用器具」「照明器具」「蛍光ランプ」「ヘルスメーター」「体温計」「血圧計」「固定電話機」「移動電話機」「テレビ(ブラウン管)」「テレビ(薄型)」「ステレオセット」「携帯オーディオ機器」「DVDレコーダー」「パソコン(デスクトップ型)」「パソコン(ノート型)」「パソコン用プリンタ」「カメラ」「ビデオカメラ」「フィルム」「録画用DVD」「乾電池」「電気かみそり」
  • (注)該当品目が存在しない期間、途中で統廃合等があった品目については、消費者物価指数、卸売物価指数、企業物価指数等の類似する品目で代用。
外食 「一般外食」
旅行 「宿泊料」「普通運賃(JR, 在来線)」「普通運賃(JR, 新幹線)」「料金(JR, 在来線)」「料金(JR, 新幹線」「普通運賃(JR以外)」「航空運賃」「外国パック旅行(2000年以降)」

(3)ウエイト

以下の項目について、総務省「家計調査報告(農林漁家世帯を除く全世帯)」における支出金額(2005年)を使用。

表 ウエイト
分類 家計調査 分類名・品目名
食料品 「食料(除く「外食」)」(ただし、コンビニエンスストア売上高のウエイトは、「食料(除く「外食」「生鮮魚介」「生鮮肉」「生鮮野菜」「生鮮果物」)」
衣料品 「被服及び履物」「身の回り用品(除く「腕時計」「身の回り用品関連サービス」)」
家具 「一般家具」「敷物」
家電製品 「家事用耐久財」「冷暖房用器具」「照明器具」「電球・蛍光ランプ」「他の保険医療用品・器具」「移動電話」「他の通信機器」「テレビ」「ステレオセット」「携帯型音楽・映像用機器」「ビデオデッキ」「パーソナルコンピュータ」「カメラ」「ビデオカメラ」「フィルム」「音楽・映像用未使用メディア」「電池」「理美容用電気器具」
乗用車 「自動車購入」
外食 「一般外食」
旅行 「パック旅行」