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国際収支関連統計のFAQ

2021年6月
日本銀行国際局

目次

国際収支関連統計の意義

統計作成の基準

計上原則

地域別、業種別、部門・業態別の区分

アクセス

改訂

時系列

国際比較

国際収支関連統計の意義

1.国際収支関連統計とは何ですか。

国際収支関連統計とは、わが国の国際的な経済取引を記録した国際収支統計、外国に対する投資残高を記録した対外資産負債残高、およびこれらを相手国別等に細分化した統計の総称です。

このうち、国際収支統計は、わが国が外国との間で行った経済取引を体系的に記録した統計です。具体的には、モノやサービスの取引、証券投資等の金融取引、投資による収益の受払、それらに伴う決済資金の流れ等を記録します。また、対外資産負債残高は、外国に対する投資残高、すなわち、金融資産や負債の残高について価額と構成を記録した統計です。国際収支、対外資産負債残高それぞれについて、相手国別の計数(地域別計数)も公表しているほか、直接投資については業種別、証券投資等については通貨別といった切り口で細分化した統計もあります。

2.なぜ国際収支関連統計を作成するのですか。

国際収支関連統計は、対外経済取引・資金フローの動向、対外資産負債残高の構造からみた脆弱性等、各種の経済分析に有用なデータを提供するものです。また、国際収支関連統計は、国民経済計算(GDP統計)や資金循環統計にも基礎統計として利用されています。

制度的な枠組みとしては、国際通貨基金(IMF)協定第8条(一般義務条項)の第5項により、加盟国には国際収支に関する情報の提供が義務付けられています。また、わが国では、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)において、財務大臣が毎年末の対外の貸借(すなわち、対外資産負債残高)に関する統計や毎月および毎年の国際収支に関する統計を作成し、年次の計数を翌年5月末までに内閣に報告することが求められています(外為法第55条の9、外国為替令第18条の9)。

3.なぜ日本銀行が国際収支関連統計を作成するのですか。

財務大臣は、外為法関連事務を日本銀行に委任することができます(外為法第69条)。日本銀行は、財務大臣から国際収支関連統計の作成に関する事務や統計に用いる報告書の受理に関する事務等の委任を受けて、統計を作成しています(外国為替令第26条、外国為替の取引等の報告に関する省令第38条)。

統計作成の基準

4.国際収支関連統計はどのような基準で作成されていますか。

わが国の国際収支関連統計は、IMF国際収支マニュアル(以下、BPM)に準拠しています。

BPMは、国際収支統計および対外資産負債残高を作成するための手引きとしてIMFが策定した指針です。統計の概念や定義、分類、評価方法等を定めており、加盟国がIMFにデータを報告する際の基準となっています。初版が1948年に公表され、累次の改訂を経て、2008年に公表された第6版(the sixth edition of the Balance of Payments and International Investment Position Manual (外部サイトへのリンク)、以下、BPM6)が現時点の最新版です。わが国では、2014年1月取引分からBPM6準拠統計に移行しました。

なお、2020年からはBPM6の改訂に向けた議論が行われています(2025年に新マニュアルが公表される予定です)。

5.標準(構成)項目とは何ですか。

BPM6はデータ項目を(1)標準項目と(2)補足項目に大別しています。標準項目については、可能な限りすべて作成してIMFに報告することが求められる一方、補足項目については、各国がそれぞれの政策・分析ニーズに応じてコストにも配慮しつつ作成の要否を決めることとされています。標準項目のうち、合計値や収支項目の構成要素となっているものを標準構成項目と呼び、構成要素ではなく別の切り口から集計するものをメモ項目と呼びます。

なお、BPM6では、地域別計数は補足項目と位置づけられています。

計上原則

6.国際収支統計では取引をどのように計上しますか。

国際収支統計では、各取引について、貸方・借方それぞれに同額を記入し、原則として、貸方・借方それぞれの項目の合計が一致するように計上します(複式計上)。貸方には、財貨・サービスの輸出、所得の受取、移転の受取、金融資産の減少、負債の増加が計上され、借方には、財貨・サービスの輸入、所得の支払、移転の支払、金融資産の増加、負債の減少を計上します。

各収支の収支尻について、経常収支と資本移転等収支は「貸方-借方」で算出します(この値が正の場合は「黒字」、負の場合は「赤字」といいます)。金融収支は「金融資産のネット取得(資産の借方-貸方)-負債のネット発生(負債の貸方-借方)」で算出します(この値が正の場合は「純貸出」または「純資産増加」、負の場合は「純借入」または「純資産減少」といいます)。これらの関係を整理すると、以下のような恒等式が成り立ちます。

経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0

7.誤差脱漏とは何ですか。

誤差脱漏は、統計上の誤差を調整するための項目です。実際の国際収支統計作成においては膨大な取引についてさまざまな種類の報告書や資料をもとに集計するため、必ずしも1つの取引に係る貸方、借方の2つの計上資料が同一時期に入手できるとは限りません。また、評価方法のずれ等から同じ取引であっても資料によって金額が異なる場合もあります。このため、現実には、貸方・借方それぞれの項目の合計が一致せず、統計作成上の誤差が生じます。

8.直接投資の「資産負債原則」、「親子関係原則」とは何ですか。

直接投資のデータ公表形式に係る計上原則です。「資産負債原則」では資産負債の総額を表示し、「親子関係原則」では「子会社から親会社への投資(負の投資)」を「親会社から子会社への投資」から差し引いて表示します。

資産負債原則によるデータは、IMF国際収支マニュアル第6版において標準的な公表項目と位置づけられています。資産負債の総額を表すことから、資産・負債別に項目間の比較を行うことが可能です。

親子関係原則によるデータは、OECD直接投資ベンチマーク第4版(BD4)において、資産負債原則によるデータと並ぶ標準的な公表項目と位置づけられています。親会社から子会社への投資は、親会社が資金提供を通じて子会社に影響を及ぼす動きを表すのに対し、負の投資は、親会社が影響力を行使して自らの事業資金を子会社に提供させる動きを表します。BD4では特に業種別や地域別などのデータについて親子関係原則による作成を推奨しています。わが国でも、業種別・地域別直接投資のフローと残高を親子関係原則で作成しますが、収益については、基礎資料の制約があり資産負債原則で作成しています。

それぞれの原則を適用する統計の一覧や計上方法の具体例については、「直接投資データの計上原則について 」をご覧ください。

9.国際収支統計と対外資産負債残高の関係について教えてください。

対外資産負債残高を増減させる要因の一つが当該資産負債の取引であり、これは国際収支統計の金融収支に相当します。残高増減には、為替相場の変動や、株価・債券価格等の市況変動等も影響します。「本邦対外資産負債残高増減要因(試算)」では、為替要因(「為替相場変動」)を推計し、当年末と前年末の残高差から取引要因(「取引フロー」)と為替要因を控除した部分をその他要因(「その他調整」)としています。

なお、6で示した恒等式からわかるように、国際収支統計の金融収支は、概念上は、経常収支(貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、および第二次所得収支で構成されます)と資本移転等収支の合計と等しくなります。

対外金融資産負債から生じた収益は、第一次所得収支の投資収益に計上します。

  • 図1 国際収支統計と対外資産負債残高の関係
  • 本文の説明を図式化したもの

地域別、業種別、部門・業態別の区分

10.地域別の分類基準について教えてください。

経常収支および資本移転等収支の地域別は、原則として取引の相手方の国別に分類します。但し、貿易収支のうち通関する取引については、貿易統計を利用することから、輸出は最終的な仕向け国、輸入は原産国となります(外国貿易等に関する統計基本通達7-2参照)。

金融収支の地域別は、資産側では債務者の国別に分類します。負債側では原則として債権者(投資家)の国別に分類しますが、証券投資については注意が必要です。すなわち、証券投資の負債側(わが国の居住者が発行した証券の取引)の地域別は、取引の相手の国を基準としますが、このうち非居住者投資家が外国の証券会社を経由して売買する場合は、投資家ではなく当該証券会社の所在国が反映されます。また、償還が外国のカストディアン等を通じて行われる場合は、当該カストディアン等の所在国が反映されます。

対外資産負債残高の地域別は、原則として金融収支と同様です。証券投資の負債側については保有者の国を基準としますが、投資家が外国のカストディアンを通じてわが国に証券を預けている場合は、当該カストディアンの所在国が反映されることがあります。なお、「直接投資残高地域別(対内)(最終投資家ベース)」においては、直接の親会社ではなく、最終的な支配力を有する投資家の所在国別に分類しています。

11.地域別の公表国について教えてください。

国別は、原則として主要33か国(証券投資は45か国)について公表します。また、業種別・地域別直接投資(フロー)や、直接投資・証券投資残高の資産側(全地域ベース)については、当期に実績のあるすべての国ごとに計数を公表します。

具体的な公表国等、詳しくは「国際収支関連統計」ページの地域別の区分 をご覧ください。

12.業種別の区分について教えてください。

原則として、対外直接投資は外国子会社等投資先企業(非居住者)の業種別に、対内直接投資は投資を受ける企業(居住者)の業種別に分類します。但し、収益は支払側の業種別に分類します。

業種区分は以下の通りです。

表1 業種区分
製造業 食料品、繊維、木材・パルプ、化学・医薬、石油、ゴム・皮革、ガラス・土石、鉄・非鉄・金属、一般機械器具、電気機械器具、輸送機械器具、精密機械器具、その他製造業
非製造業 農・林業、漁・水産業、鉱業、建設業、運輸業、通信業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、サービス業、その他非製造業

こうした区分は、日本標準産業分類の大分類(製造業は中分類)をベースとしていますが、個社情報の保護や計数の連続性等も考慮して、わが国の国際収支統計特有のものとなっています。各区分に含まれる主要業種(日本標準産業分類の細分類と紐づけています)については、業種番号一覧 [PDF 535KB] をご覧ください。なお、持株会社は、主な子会社の業種に基づいて分類します。

製造業は、「その他製造業」を除く上記の各業種と「製造業(計)」のデータを公表します。非製造業は、「その他非製造業」を除く上記の各業種と「非製造業(計)」のデータを公表します。

13.業種別・地域別直接投資に計数のない区分があるのはなぜですか。

業種別・地域別直接投資においては、他の統計に比べて細かく分類することから、該当する報告がない区分や、該当する報告件数が少なく、集計値の公表により個別の情報が判明しかねない区分が生じることがあります。当期の報告実績がない区分は「.」、報告件数が3件に満たない区分は「X」と表示しています。

14.部門別や投資家部門別の部門・業態区分について教えてください。

国際収支統計の金融収支や対外資産負債残高において、「証券投資」、「金融派生商品」および「その他投資」は、居住者(資産は債権者、負債は債務者)の属する部門に応じて、「中央銀行」、「預金取扱機関」、「一般政府」、「その他金融機関」および「その他」(非金融法人、家計および対家計民間非営利団体)に分類します。

また、「投資家部門別対外証券投資」においては、「預金取扱機関」と「その他金融機関」をさらに詳しい業態に分類します。

それぞれの区分に該当する者は以下の通りです(なお、持株会社は、主な子会社の属する区分に応じて分類します)。

表2 部門・業態区分
部門・業態区分 該当する者
中央銀行
  • 日本銀行
預金取扱機関 銀行等(銀行勘定)、信託銀行(銀行勘定)
  • 業務として預金の受入または為替取引を行うことができる次に掲げる金融機関。但し、信託業務を兼営するものについては、信託勘定における取引を「その他金融機関」に分類する。
    1. (1)銀行(日本銀行を除く)
    2. (2)協同組織金融機関
    3. (3)公的金融法人(国民経済計算における公的金融機関)
    4. (4)その他法律に基づいて設立される金融機関
一般政府
  • 中央政府
  • 地方政府
  • 社会保障基金
  • 業務として預金の受入または為替取引を行わない公的金融法人
その他金融機関 銀行等(信託勘定)、信託銀行(信託勘定)
  • 信託業務を兼営する場合の信託勘定における取引
その他金融機関 金融商品取引業者
  • 金融商品取引業者
その他金融機関 生命保険会社
  • 生命保険会社
その他金融機関 損害保険会社
  • 損害保険会社
その他金融機関 投資信託委託会社等
  • 投資信託委託会社、資産運用会社
  • 貸金業者
  • 私的年金基金
  • 資産の流動化に関する法律に基づき設立された特定目的会社等の特別目的会社
  • その他法律に基づいて設立される業務として預金の受入または為替取引を行わない金融機関(投資法人等)
その他
  • 上記区分のいずれにも該当しない者
    • (例)一般事業法人、特殊法人や独立行政法人の一部、特定非営利活動法人、学校法人、宗教法人、個人

アクセス

15.国際収支関連統計のデータはどこに掲載されていますか。

最新データの概要は財務省のウェブサイトに、時系列データは本行の時系列統計データ検索サイト等に掲載されています。

詳しくは、「国際収支関連統計」ページの公表データの掲載場所 をご覧ください。

改訂

16.改訂値には何が反映されるのですか。

国際収支関連統計は、外為法に基づく報告書や官公庁が作成するデータ等を基礎資料として作成しています。月次のフロー統計において、四半期毎に調査が行われるものなど制度上速報公表時に入手できない基礎資料については、速報作成時には推計で補い、第二次速報で当該基礎資料を取り込んでいます(但し、再投資収益については、後述の通り別途改訂を行います。詳しくは、17をご覧ください)。また、第二次速報や年次改訂では、前回公表後の遅延報告や訂正報告も反映します。

残高については、基礎資料の多くが年次(暦年末)の報告書であることから、四半期末の値は、前期末の残高にその後のフローと為替・市況変動を反映して推計しています。基本的に、一次推計値、二次推計値、年次改訂値は、それぞれフローの速報、第二次速報、年次改訂値を反映したものですが、暦年末分については、一次推計値以外は報告書に基づく集計値です。暦年末の一次推計値と報告書に基づく集計値の差額は、フロー積み上げ推計による誤差として、年次改訂において各四半期に再配分しています。

なお、大口の訂正報告があった場合、通常の改訂とは別に遡及訂正を行うことがあります(この訂正においては、地域別や通貨別等の計数を対象としないことがあります)。

訂正の対象は、「国際収支関連統計」ページの訂正のお知らせ をご覧ください。

17.再投資収益の改訂とは何ですか。

再投資収益は、直接投資を受けている企業(子会社等)の内部留保を投資家(親会社)に帰属するものとして計上する取引です。すなわち、持分比率に応じた内部留保が投資家に一旦配分された後、直ちに再投資されたものとみなして計上します。投資家に収益を帰属させる取引を「第一次所得収支」の「再投資収益」に計上し、同額を「金融収支」の「収益の再投資」に計上します。

再投資収益の基礎資料は、企業の決算データに基づく報告書です。各決算期に内部留保された収益が毎月均等に稼得されたものとみなして、各月に12分の1ずつ計上します(注)。決算データは企業の会計年度終了まで入手できないので、わが国の統計では、当初はわが国においてウェイトの高い3月決算企業の直近の報告額を反映した計数を用いており、年1回、報告額を集計できた期間について計数を当月稼得分に置き換えています。こうした改訂作業は、3月決算企業の報告額の集計結果を統計に反映できるタイミングで、すなわち、毎年11月に実施します。例えば、2021年11月の改訂においては、2021年3月決算が反映され始める2020年4月分までの計数について、当月稼得分への置き換えを行います。2020年5月以降の計数についても、この4月計数を据え置きます。具体的なイメージは、数値例 [PDF 212KB] をご覧ください。

  • (注)ある月の再投資収益は、その月が属する決算期の内部留保の12分の1を積み上げて作成します。例えば、2020年4月分の再投資収益は、2020年4月決算(2019年5月~2020年4月)から2021年3月決算(2020年4月~2021年3月)までの内部留保について、それぞれ12等分したものを合計した額となります。

詳しい改訂スケジュールおよび改訂対象項目は、「国際収支関連統計」ページの作成周期・公表時期 をご覧ください。

時系列

18.データはいつまで遡って利用することが可能ですか。また、時系列統計データ検索サイトに掲載されている「国際収支統計(6版基準)」、「国際収支統計(2013年以前)」、「国際収支統計(~2001年12月速報)」は、それぞれ何が違うのですか。

わが国の国際収支関連統計はBPMに準拠して作成しています(表3-1、3-2参照)。それぞれの版で作成基準が異なるため、後続の版の基準に組み替えた計数も提供しています。現在、本行ウェブサイトには、BPM6準拠統計(2014年~)、BPM5準拠統計および6版組み替え計数(1996年~2013年)、BPM4準拠統計をBPM5準拠統計の基準により組み替えた計数の一部(主要項目は1985年~1995年、その他は1991年~1995年)を掲載しています。

表3-1 BPMの公表時期とわが国における新ベース統計への移行時期等(初版~第4版)
  初版(BPM1) 第2版(BPM2) 第3版(BPM3) 第4版(BPM4)
BPM公表 1948年 1950年 1961年 1977年
データ始期(注1) 1946年 1957年 1979年
表3-2 BPMの公表時期とわが国における新ベース統計への移行時期等(第5版~第6版)
  第5版(BPM5) 第5版補遺(注3) 第6版(BPM6)
BPM公表 1993年 2000年 2008年
移行 1996年 2002年 2014年
組み替え(遡及)計数始期 1991年(注2)
(主要項目は1985年)
1996年
(一部を除き遡及改訂)
1996年
  1. (注1)遡及計数を含む。対外資産負債残高は1972年末分から作成。BPM4準拠統計までは米ドル建てで作成していたが、国際収支統計の1984年5月分以降は円建てでも公表。
  2. (注2)BPM4準拠統計からの組み替え計数は、国際収支統計のみ作成。
  3. (注3)金融派生商品の計上方法を変更する修正(後述)。

以下、時系列統計データ検索サイトに掲載している系列について説明します。

わが国の国際収支関連統計は、2014年1月分からBPM6準拠統計に移行しました。移行に際しては、主な系列について、BPM5準拠統計(国際収支統計は1996年1月分~2013年12月分、対外資産負債残高は1996年末分~2013年末分)をBPM6準拠統計の基準により組み替え、さらに再投資収益の計上時期を見直した「6版組み替え計数」を作成しています(時系列統計データ検索サイトの「国際収支統計(6版基準)」に収録しています)。

BPM5準拠統計の詳細なデータについては、フローは、原則、時系列統計データ検索サイトに「国際収支統計(2013年以前)」として収録し、残高と業種別・地域別直接投資(フロー)は国際収支関連統計(IMF国際収支マニュアル第5版ベース)に掲載しています。なお、このうち、直接投資関連統計、証券投資関連統計等については、整備・拡充を行った2005年1月(第1四半期)分(残高は2005年末分)から掲載しているものがあります。

また、時系列統計データ検索サイトの「国際収支統計(~2001年12月速報)」には、金融派生商品の計上方法変更(注)前のフロー計数の一部を掲載しており、ここにBPM4準拠統計をBPM5準拠統計の基準で組み替えた計数も収録しています(主要項目は1985年1月分~1995年12月分、その他の項目は1991年1月分~1995年12月分)。なお、「6版組み替え計数」に参考として収録している1985年分~1995年分の年次データは、このBPM4準拠統計からの組み替え計数をBPM6準拠統計の表示形式に合わせたものです。

  • (注)BPM5補遺の公表を受けて、「直接投資」、「証券投資」等と並ぶ区分として「金融派生商品」を設け、「証券投資」および「証券投資収益」に含めていた該当取引を計上替えしたものです。BPM5準拠統計については、一部を除き1996年分から遡及改訂を実施しています。

各データの収録対象期間や計上方法の主な違いについては、本行ウェブサイト掲載データの概要 [PDF 116KB]をご覧ください。また、統計の見直しの詳細は、以下の資料をご覧ください。

なお、BPM4準拠統計以前の経常収支と貿易収支のデータ(米ドル建ての暦年計数)については、参考(BPM4準拠統計以前の経常収支と貿易収支)[XLSX 13KB] をご覧ください。

19.BPM5準拠統計とBPM6準拠統計にはどのような違いがありますか。

BPM5準拠統計(以下、旧統計)とBPM6準拠統計(以下、現行統計)の主な違いは以下の通りです。

(1)主要項目の構成、表記方法等

旧統計では、現行統計の「金融収支」が「投資収支」と「外貨準備増減」に分かれており、「投資収支」と「その他資本収支」(現行統計の「資本移転等収支」)を合わせて「資本収支」と称していました。また、現行統計の「第一次所得収支」を旧統計では「所得収支」、同じく「第二次所得収支」を「経常移転収支」と称していました。

(2)金融収支の符号表示

現行統計では、資産・負債の増加をプラス、減少をマイナスで表示しますが、旧統計では資金の流出入に注目し、資産の増加をマイナス、減少をプラスで表示していました。

表4 金融収支の符号表示
  金融収支
(BPM6準拠)
投資収支・外貨準備増減
(BPM5準拠)
資産増加=資金流出 (+) (-)
資産減少=資金流入 (-) (+)
負債増加=資金流入 (+) (+)
負債減少=資金流出 (-) (-)
純貸出(純資産増加)=流出超 (+) (-)
純借入(純資産減少)=流入超 (-) (+)

(3)部門区分

金融収支や対外資産負債残高における部門は、現行統計では5区分(中央銀行、一般政府、預金取扱機関、その他金融機関、その他)ですが、旧統計では3区分(公的、銀行、その他)でした。

(4)直接投資の計上原則

現行統計では業種別・地域別の直接投資フロー・残高等一部を除き資産負債原則で計上していますが、旧統計では直接投資収益を除き親子関係原則で計上していました。

(5)計上範囲

計上範囲や計上項目の違いのうち、主なものは以下の通りです。

  • 現行統計で「貿易収支」に含まれている「仲介貿易商品」が旧統計では「サービス収支」に含まれていた一方、現行統計の「委託加工サービス」や「維持修理サービス」の一部が旧統計では「貿易収支」に含まれていました。
  • 現行統計で「金融サービス」に含まれているFISIMやディーラー・マージンは、旧統計ではそれぞれ「所得収支」や「証券投資」に含まれていました。
  • 「その他サービス」の小口取引に係る計数の補填は、旧統計では行っていませんでした。
  • 直接投資関係にある者の定義について、現行統計では議決権の10%以上の所有を基準とし、孫会社等の間接出資先も含みますが、旧統計では発行済株式の10%以上の所有を基準とし、直接の出資関係がある先に限っていました。
  • 再投資収益について、旧統計では、企業の決算データに基づく報告書を入手した後、翌会計年度の途中から12か月にわたって計上しており、各月の再投資収益には、17か月前に稼得された収益が反映されていました。現行統計での計上方法については、17をご覧ください。
  • 証券貸借取引については、経済的所有権の移転がないことから現行統計では計上対象外としていますが、旧統計では所有権の移転を擬制して「証券投資」に計上し、対応勘定として同額を「その他投資」に計上していました(但し、参考として「投資収支」の証券貸借関連項目につき証券貸借を除く計数も作成していたほか、証券関連統計は証券貸借を除くベースで作成していました)。
  • 証券投資の「投資ファンド持分」は、旧統計では「株式」に含まれていました(但し、オープンエンド型の契約型投信は、「中長期債」に含まれていました)。

詳しくは、「国際収支関連統計の見直しについて」(2013年10月8日)をご覧ください。

20.6版組み替え計数とBPM6準拠統計にはどのような違いがありますか。

6版組み替え計数は、BPM5準拠統計の枠組みにおいて集計したデータをBPM6準拠計数に組み替え、さらに再投資収益が稼得時期に反映されるよう計上時期を調整したものです。このため、BPM5準拠統計でデータを収集していない項目は対象外です。

組み替えの対象外とした項目のうち、主なものは以下の通りです。

  1. (1)金融収支および対外資産負債残高における部門の詳細化:BPM5準拠統計と同じ3部門でデータを公表しています。
  2. (2)内訳項目:全期間または一部の期間について、データが存在しないものがあります(以下は例示です)。
    • 「第一次所得収支」のうち「その他第一次所得」:全期間
    • 「その他投資」のうち「保険・年金準備金」:全期間
    • 「貿易収支」のうち「仲介貿易商品」:1996~2004年分
    • 「その他サービス」のうち「研究開発サービス」:1996~2004年分
  3. (3)概念変更・計上範囲拡充への対応:項目の名称変更を行っていても、概念変更や計上範囲変更への対応を行っていない場合があります(以下は例示です)。
    • FISIM、ディーラー・マージンの導入
    • その他サービスの計数補填
    • 直接投資の定義の変更
    • 証券貸借取引の扱い変更
    • 「株式・投資ファンド持分」および「投資ファンド持分に係る投資収益」への対応

具体的な組み替え方法については、詳細(組み替え方法)[ZIP 23KB] をご覧ください。

21.地域別や業種別・地域別直接投資の6版組み替え計数はありますか。

地域別や業種別・地域別直接投資については、6版組み替え計数を作成していません。

なお、5版準拠統計の地域別の合計値は、6版組み替え計数の値と異なることがあります。また、5版準拠統計の業種別・地域別直接投資の合計値と6版組み替え計数の直接投資の値は一致しません。こうした違いが生じる主な理由は、以下の通りです。

  1. (1)6版組み替え計数については、全期間を通じて再投資収益の計上時期調整を行っているほか、一部の期間につき大口の報告計数訂正を反映した訂正を行っている一方、5版準拠統計の地域別計数等については、こうした調整・改訂を行っていないこと。
  2. (2)直接投資について、6版組み替え計数では資産負債原則で計上しているのに対し、5版準拠統計の地域別計数等では親子関係原則で計上していること。

22.証券投資関連統計(投資家部門別対外証券投資等)の6版組み替え計数はありますか。

証券投資関連統計については、6版組み替え計数を作成していません。もっとも、証券投資関連のフロー統計は、5版準拠統計においても証券貸借を除くベースで作成していました(注)ので、資産側(対外投資)および証券投資ネット(対内外投資)の符号を反転することによって、6版組み替え計数と同様に6版準拠統計の証券投資関連統計と比較することは可能です(19も併せてご覧ください)。

  • (注)5版準拠の証券投資関連統計は、時系列統計データ検索サイトにおいて、「国際収支統計(2013年以前)」の「付表:対外・対内証券投資(貸借取引を除く)(2005年1月~)」に掲載しています。

国際比較

23.日本と他国との間で国際収支関連統計の計数を比較することは可能ですか。

各国の国際収支統計や対外資産負債残高のデータは、IMFのBOP/IIPデータ提供ページ(外部サイトへのリンク)で検索することができます。こうした統計は多くの国においてBPM6に準拠していますが、国によって作成方法や公表周期等に多少の違いがあります。各国のデータ作成・公表に関する情報(メタデータ)は、データ提供ページのほかIMFの公表基準掲示板(外部サイトへのリンク)(Dissemination Standards Bulletin Board)にも掲載されています。

また、対外債務については世界銀行のウェブサイト(外部サイトへのリンク)に、業種別・地域別直接投資についてはOECDのウェブサイト(外部サイトへのリンク)に、各国のデータやメタデータが掲載されています。

証券投資残高や直接投資残高については、24および25をご覧ください。

24.証券投資残高共同サーベイ(CPIS)とは何ですか。

証券投資残高共同サーベイ(Coordinated Portfolio Investment Survey (CPIS))は、IMFが主導する各国のクロスボーダーの証券投資残高を詳細に把握する取り組みです。2001年末分から、IMFが各国のデータやメタデータを取りまとめてIMFのウェブサイト(外部サイトへのリンク)で公表しています(2013年6月末分からは半期毎に公表)。

25.直接投資残高共同サーベイ(CDIS)とは何ですか。

直接投資残高共同サーベイ(Coordinated Direct Investment Survey (CDIS))は、IMFが主導する各国のクロスボーダーの直接投資残高を詳細に把握する取り組みです。2009年末分から、IMFが各国データやメタデータを取りまとめてIMFのウェブサイト(外部サイトへのリンク)で公表しています。