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CP残高統計の訂正計数公表について

2003年 8月 7日
日本銀行金融市場局

 日本銀行は、去る7月25日に、金融市場局が毎月公表している「貸出・資金吸収動向等(速報)」の中の、CP発行状況に関する一部統計(「銀行等引受分末残」、以下「CP残高統計」)について、実際の計数よりもかなり過大になっている可能性があり、計数を早急に点検のうえ公表する旨を明らかにしていました。

 その後、取引先金融機関の多大なご協力をいただきながら作業を行ってきましたが、訂正計数がまとまりましたので、以下のとおり公表します(別紙)

新しい定義によるCP残高統計

 今回、新しい定義によるCP残高統計を公表することとしました。

 このCP残高統計では、まず、CP引受金額や引受分にかかる償還金額についての定義を、取引先の皆様にあらためてご確認いただきました。そのうえで、最近のABCP市場の拡大を踏まえ、これまで取引先の皆様の間で報告上の取扱いに不統一がみられた外国法人の発行するABCP(いわゆるサムライABCP)について、今後、CP残高統計に含めてご報告いただくようにしました。

 新しい定義によるCP残高は、本年3月末が14.1兆円、6月末では15.0兆円となりました。

 なお、新しい定義によるCP残高統計は、現時点では、本年3月末より過去には遡及できません。今後、取引先金融機関にあらためてご協力をお願いし、遡及統計の作成が可能であるという回答が得られれば、これを公表します。

日本銀行の求める定義からの乖離幅

 今回の点検の結果、日本銀行の求める従来の定義でみた場合、本年3月末時点のCP残高統計は11.9兆円であったことを確認しました。既に公表している本年3月末時点公表残高22.1兆円との比較では、10.2兆円の乖離があったことになります。

都銀等3業態のCP残高統計の公表

 上記のように、新しい定義によるCP残高統計は、過去の計数との連続性を十分に保てていないため、この統計を利用する皆様にはご迷惑をおかけすることになります。

 これを踏まえて、日本銀行では、今般、都銀等3業態のCP残高統計(直近の全体残高に占める割合は約8割)を公表することとしました。この系列については、旧定義ベースで、1998年6月から2003年6月までの計数を公表します。新定義ベースでは、2003年3月以降の計数を公表し、今後毎月、日本銀行のホームページに適宜掲載します。

 日本銀行金融市場局では、的確かつ正確な統計の提供に向けて全力を尽くすことにより、皆様の信頼を回復していくことができるよう、努めていく方針です。この方針のもと、局内に「統計点検プロジェクトチーム」を設置し、点検作業に着手いたしました。

 なお、今回の定義変更および計数の訂正を受けて、日本銀行調査統計局が公表している「資金循環統計」も修正される予定です。既に公表されている過去の計数についても遡及的に修正を行うため、次回の統計公表日も延期が必要となります。これらの公表日に関しては確定次第速やかにお知らせします。

以上

本件に関する照会先

金融市場局金融市場課

栗原 03-3277-3039
馬場 03-3277-1520


(別紙1)

CPの銀行等引受分末残

1.新定義ベース

  • 表

2.過去のCP銀行等引受分末残の上振れ幅(旧定義ベースでの比較)

  • 表

<計数の定義>

(新定義)…アンダーラインが見直し箇所

  • 銀行等引受分末残は、5業態(都銀、長信銀、信託銀、地銀、第二地銀)、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信金中央金庫、日本銀行と当座預金取引のある証券会社、日本銀行と当座預金取引のある外国銀行在日支店が引受けたCP(ABCPを含む)の月末残高合計。外国法人が発行するCP(いわゆるサムライCP)については、ABCPは含むが、ABCP以外のCPは含まない。

(旧定義)

  • 銀行等引受分末残は、5業態(都銀、長信銀、信託銀、地銀、第二地銀)、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信金中央金庫、日本銀行と当座預金取引のある証券会社、日本銀行と当座預金取引のある外国銀行在日支店が引受けたCPの月末残高合計(非居住者発行CP<いわゆるサムライCP>は含まない)。

(別紙2)

都銀等3業態(銀行等引受分末残)の遡及統計(1998/6月以降)

  • 表

(別紙3)

CP残高統計の訂正および新しい定義のポイント

  • 表

1. 旧定義ベース(a)での上振れ分を特定した。

  • 表

2. サムライABCP(b)をCP残高統計に含めることを明確化した。

  • 表