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資金循環統計の一部部門分類の見直しおよび遡及改定について

2007年3月23日
日本銀行調査統計局

部門分類の見直し−単独運用信託部門の廃止について

 単独運用信託部門については、2007年3月19日の資金循環統計の一部部門分類の見直し(予定)についてで公表しましたとおり廃止します。

資金循環統計の遡及改定について

 2006年第3四半期確報(本日3月23日公表)作成時における推計方法の変更等に伴って、1997年12月末以降の四半期計数、1979年度末以降の年度計数をすべて遡及改定しています。

 遡及後の計数については時系列データに掲載しておりますのでご利用ください。

2006年第3四半期確報作成時における主な変更点

<単独運用信託部門の廃止>

 単独運用型の金銭の信託の保有については、従来の社会保障基金、年金基金等に加え、それ以外の全ての投資主体にも特定する扱いに変更。具体的には、各信託勘定間(単独運用指定金銭信託、特定金銭信託等)の運用の流れを特定し、単独運用型の金銭の信託の勘定間の信託受益権を統合(信託受益権の資産・負債を相殺消去)したうえで、投資主体の信託受益権(資産)と信託勘定の信託受益権(負債)を相殺消去し、信託勘定の運用資産を各投資主体に配分。各主体別の信託勘定ごとの保有額やその運用資産の配分については、各主体の財務諸表や信託商品の特性等から推計している。

<合同運用信託の信託受益権(資産、負債)>

 合同運用信託(合同運用指定金銭信託および貸付信託の信託勘定)において、貸付信託の信託勘定で両建て計上されている分(貸付信託の信託勘定による貸付信託受益証券の保有分)については資産、負債をネットアウトすることとした。また、運用資産の一部を債権流動化関連商品分(金銭債権の信託向け)として計上。

<国内銀行のその他(資産、負債)>

 国内銀行において、各取引項目の運用・調達(取引額)の合計値の差額と財務諸表等から直接求める運用・調達(取引額)の合計値の差額との乖離額を、その他(取引額)の運用(後者が前者を上回った場合)または調達(後者が前者を下回った場合)に追加して計上。

<銀行等の対外直接投資(資産)>

 預金取扱機関のうち銀行等の対外直接投資は、財務諸表の保有外国証券のうち一定割合を計上していたが、対外資産負債残高統計の直接投資残高(業種別)等を利用する形に変更。

<銀行等の対外証券投資(資産)>

 預金取扱機関のうち銀行等の対外証券投資の運用(取引額)は、財務諸表の保有外国証券から居住者発行外債と対外直接投資を控除した残高の前期差を計上していたが、国際収支統計の投資収支(うち証券投資)等を利用する形に変更。

<社会保障基金の運用資産>

 社会保障基金のうち年金積立金管理運用独立行政法人(2005年度まで年金資金運用基金)が信託勘定に運用を委託している資産については、国内銀行・信託勘定(指定単独運用金銭信託)全体の信託財産種類別財務データと運用資産の構成が同一であると仮定し推計していたが、同独立行政法人の公表資料を直接利用する形に変更(昨年3月24日公表時に郵便貯金、簡易保険でも同様の推計方法に変更済)。

<債権流動化に係る特別目的会社・信託の住宅貸付(資産)>

 債権流動化に係る特別目的会社・信託が保有する住宅貸付債権について、金融機関に対する金銭債権の信託受託残高における調査項目追加の実施により推計方法を精緻化。

<短資会社の国債・財融債(資産)、現先・債券貸借取引(資産・負債)、買入手形(資産)>

 短資会社の国債・財融債、現先・債券貸借取引は、登録国債および振決国債の業態保有残高に関する集計表データなどを利用し推計していたほか、買入手形については、全ての主体の売渡手形残高総額から短資会社以外の買入手形残高を控除した残差を計上していたが、短資会社の財務諸表を直接利用する形に変更(買入手形の保有部門が特定できない残差は、証券会社に計上)。

<現先・債券貸借取引>

 現先・債券貸借取引のうち、現先取引は、買手、売手別に推計をした結果生じる各資産・負債合計の差額を買現超(売現超)の場合、売現先(買現先)側の各主体の残高に応じてそれぞれの主体別に按分して計上していたが、その差額を全て民間非金融法人企業に計上する形に変更。

<株式・出資金>

 株式・出資金のうち出資金に含まれる非上場株式の時価相当額を推計するにあたっては、類似業種比準価額方式および上場株式の市場価格を用いて算出しているが、国民経済計算における類似業種比準価額方式の算定方式見直し(国民経済計算年報平成18年版)を受けて、評価方法を見直し。
 また、政府系金融機関および中央政府の保有出資金の一部について、市場価格で評価する方法に変更。

以上