資金循環統計の改定値の公表について
2014年3月25日
日本銀行調査統計局
はじめに
資金循環統計については、新たに入手した基礎資料や制度変更を反映した遡及改定値を毎年3月に公表しています(注)。今般、2000年4〜6月期以降の四半期計数、ならびに2000年度以降の年度計数の遡及改定を行いましたので、お知らせします。遡及改定値については、時系列統計データ検索サイトをご覧下さい。
今回の遡及改定では、基礎計数の拡充により、債権流動化に係る特別目的会社・信託部門、および証券化商品残高を見直したほか、不動産私募ファンドの出資金を新たに計上しました。また、国債・財融債の精度向上の一環として、対家計民間非営利団体が保有する国債・財融債を、昨年の同部門の見直しにより改定した時期よりも以前に遡って見直したほか、中小企業金融機関等部門の対外証券投資に、調整額を新たに計上しました。主なポイントは、以下のとおりです。
(1)債権流動化に係る特別目的会社・信託部門
- 金銭債権の信託受益権を中心に基礎計数を拡充することにより、裏付けとなっている金融資産を実態に即して見直しました。また、その中で、債権流動化に係る特別目的会社・信託部門の資産として新たに「債権流動化関連商品」を計上し、流動化商品を裏付けに流動化商品を発行する、所謂「二段階発行」の残高を把握できるようにしました。
- 当該見直しと併せて、証券化商品残高における信託受益権に関しても、裏付資産別の内訳計数を拡充のうえ、公表を開始しました。
(2)不動産私募ファンドの出資金
- 不動産私募ファンドの実態調査に関する基礎資料に基づいた推計により、不動産私募ファンドの出資金を新たに計上しました。
(3)対家計民間非営利団体が保有する国債・財融債
- 国債・財融債の保有者別内訳の精度向上の一環として、対家計民間非営利団体が保有する国債・財融債の推計方法を見直しました。また、これの副次的な影響として、国内銀行部門が保有する国債・財融債も修正されました。
(4)中小企業金融機関等部門の対外証券投資の調整額
- 基礎データを拡充し推計を行うことにより、中小企業金融機関等部門の対外証券投資に、価格変動等に伴う調整額を新たに計上しました。
- (注)なお、6月にも、3月に公表された国際収支統計の見直し(第6版組み替え計数)を資金循環統計に反映するため、遡及改定値を公表する予定です。
照会先
調査統計局経済統計課金融統計グループ
Tel : 03-3279-1111(内線 3951)