資金循環統計の改定値の公表について
2017年6月27日
日本銀行調査統計局
改定の概要
資金循環統計では、新たに入手した基礎資料や制度変更等を反映するため、遡及改定を年に1回実施し、あわせて推計方法の見直しも行っています。本年は6月に実施し、2005年以降の計数を改定しました。遡及改定値については、時系列統計データ検索サイトをご覧下さい。主な変更点と残高(2016年3月末時点)への影響は、以下のとおりです。
(1)企業間・貿易信用
- これまでは、「法人企業統計」(財務省)等から把握できる分だけ計上したあと、残差(全部門でみた資産と負債の差額)は個人企業の負債によるものとみなし、家計部門に計上してきました。今回の見直しでは、個人企業の資産・負債を直接推計するほか、公共工事などに伴う債権・債務を新たに計上し、残差を民間非金融法人企業部門の負債として計上することとしました。この結果、主に負債残高が大きく修正され、民間非金融法人企業部門と一般政府部門では上方に、家計部門では下方に改定されました。
(2)家計部門の民間金融機関からの借入
- 個人の住宅借入や消費者信用については、既存の基礎資料を一段と活用することなどで、推計精度を向上させました。個人企業の借入については、過去の一時点を起点に延長推計してきましたが、時間の経過とともに精度が低下する問題があったため、「中小企業実態基本調査」(中小企業庁)などを用いる推計方法に見直しました。この結果、家計部門の民間金融機関からの借入残高は、個人企業向けを主因に下方改定されました。
(3)国債・財投債
- 最近のマネーストック統計における広義流動性の見直しでは、国債の推計方法が変更されました。これに伴い、資金循環統計でも、同じ方法を採用しました。また、額面を時価に変換する方法なども見直しました。この結果、国債・財投債の保有残高が、民間非金融法人企業部門と地方公共団体部門では上方に、家計部門と対家計民間非営利団体部門では下方に改定されました。
照会先
調査統計局経済統計課金融統計グループ
Tel : 03-3279-1111(内線 3951)