質問電子マネーとは何ですか?
教えて!にちぎん
回答
「電子マネー」とは、一般に、利用する前にチャージを行うプリペイド方式の電子的な決済手段を指します。利用者は、電子的なデータのやり取りを通じて、現金(貨幣や紙幣)と同じように、モノを買ったりサービスを受けたりすることができます。代表的な電子マネーには、鉄道会社や小売流通企業が発行するものがあります。
現在、わが国で発行されている電子マネーは、一般的に次のような仕組みとなっています。
まず、(1)電子マネーの利用者Xは、電子マネーの発行者Aに対して現金等を提供して電子マネーの発行を請求し、これを受けて、AはXに対して電子マネーを渡します(電子的なデータを非接触型のICカードやスマートフォンなどに記録することなどにより行われます)。次に、(2)Xは、Aから受け取った電子マネーを、例えばYからモノを買った代金として、Yに渡します。最後に、(3)AはYの請求により、電子マネーと引換えにYに現金等を支払います。
この仕組みのポイントは、利用者Xが電子マネーを使うのに先立ち、予め現金等の資金を発行者Aに渡して(支払って)いることです。このことは、電子マネーの発行者Aが、Yからの請求に応じて、電子マネーを現金等に引き換えてあげることが前提になっています。また、これにより、電子マネーの受取人Yは、ちょうど現金等を受け取るのと同じように、Xが誰であるかを気にすることなく電子マネーを受け取ることができます(ただし、そのためには発行者Aへの信頼が確保されていなければなりません)。
関連ページ
電子マネーの決済件数・金額については、日本銀行が毎月公表している「決済動向」をご覧ください。
参考
- 「電子決済技術と金融政策運営との関連を考えるフォーラム」中間報告書(金融研究第18巻第3号、1999年8月)
- 「技術革新と銀行業・金融政策 — 電子決済技術と金融政策運営との関連を考えるフォーラム」報告書(金融研究第20巻第1号、2001年1月)
- 電子マネーの私法的側面に関する一考察 ——「電子マネーに関する勉強会」報告書——(金融研究第16巻第2号、1997年6月)
- 電子マネーを構成する情報セキュリティ技術と安全性評価(中山靖司・松本勉・太田和夫、金融研究第18巻第2号、1999年4月)
- 最近の電子マネーの動向について(2012年)(2012年11月)
- モバイル決済の現状と課題(決済システムレポート別冊、2017年6月)
- キャッシュレス決済の現状 (決済システムレポート別冊、2018年9月)