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質問日本銀行に求められる透明性の確保とは何ですか?

教えて!にちぎん

回答

日本銀行には、中立性・専門性の観点から、金融政策の運営について独立性が認められています。一方で、金融政策は国民の生活やわが国の金融・経済情勢に大きな影響を与えることから、決定した政策の内容や判断の根拠を分かりやすく説明する責任があります。こうした考えに基づき、日本銀行法第3条第2項では、「日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない」と定められています。

同時に、金融政策運営の透明性を確保し、日本銀行の政策意図等に関して広く理解を得ていくことは、金融政策の実効性を高めることにも繋がります。

日本銀行法に基づく透明性の確保

具体的には、次のような説明責任に関する仕組みが法令等により、取り入れられています。

(1)金融政策決定会合の議事要旨等の公開

金融政策に関する事項を決定する「金融政策決定会合」の終了後、会合中の主な意見や議事要旨が速やかに作成され、公表されることになっています。また、その議事録についても、10年経過後に公表されることになっています。これらにより、日本銀行は、国民や金融市場に対し、政策決定の背後にある議論の内容やプロセスを明らかにしています(日本銀行法第20条、政策委員会議事規則14条、15条、金融政策決定会合議事録等公表要領2.)。

(2)国会への報告・出席

日本銀行は、金融政策に関する報告書(「通貨及び金融の調節に関する報告書」)をおおむね6か月に1回国会に提出するとともに、それについて説明するよう努めることとされています。また、日本銀行の総裁や、総裁が指定する代理者等は、国会から業務および財産の状況の説明を求められた場合には、出席しなければならないことが制度化されています(日本銀行法第54条)。

(3)業務概況書の公表

日本銀行は、年1回、業務概況書を作成し、財務諸表・決算報告書とともに公表することとされています(日本銀行法第55条)。

金融政策運営に関するその他の情報発信

上記以外にも、日本銀行は、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の金融政策決定会合において、経済・物価情勢の現状・見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、その下での金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を決定し、公表しています。また、毎回の金融政策決定会合後には、政策委員会議長としての総裁が記者会見を行い、決定の内容や背景となる考え方について説明したり、会合終了後6営業日後を目途として会合における「主な意見」を公表しています。このほか、総裁・副総裁を含む政策委員会の各メンバーは、様々な機会を捉えて講演を行い、金融政策運営に当たっての考え方等を説明しています。

参考