このページの本文へ移動

質問国債振替決済制度とは何ですか?

教えて!にちぎん

回答

国債振替決済制度は、日本銀行が提供している国債の決済サービスの一つです。国債権者(個人や企業などの権利者)、参加者(銀行や証券会社などの直接・間接参加者)、振替機関(日本銀行)によって構成され、振替機関である日本銀行と国債権者との間に銀行や証券会社等の仲介機関(参加者)が介在します。こうした多層構造のもとで、国債権(権利)を帳簿上の振替によって移転させることなどが可能となっています。取引に伴う国債の受渡しについては、譲渡人(売り手)のみの請求により振替口座簿上の口座振替によって行う仕組みが採用されています。口座振替は、日銀ネット国債系により処理されています。

日本銀行は、社債、株式等の振替に関する法律に基づく指定および日本銀行法(第39条第1項)に基づく認可のもとで、国債振替決済制度の運営を行っており、自らは振替機関としての事務を取り扱っています。

なお、国債の決済制度としては、国債振替決済制度のほかに国債登録制度(注1)がありますが、現在は、99.9%以上の国債決済が国債振替決済制度のもとで行われています。

  • (注1)国債登録制度とは、日本銀行が管理する帳簿への記載により国債の登録を行い、国債の保有者が変わった場合には、同帳簿上の名義人変更により受渡しを完了する制度です。

国債振替決済制度の変遷

国債振替決済制度は、もともと1970年代以降の国債取引の急増を背景に、日本銀行が1980年(昭和55年)に創設した制度です。当初は、日本銀行と参加先金融機関等との契約に基づき、日本銀行に一括して寄託されていた国債証券(券面)の存在を前提として振替決済が行われていました。

しかし、2003年(平成15年)に、社債等の振替に関する法律(注2)が施行されたことに伴い、国債や社債などのペーパーレス化が実現したことから、旧来の国債振替決済制度は廃止されることになり、現行の国債振替決済制度に移行しました。

  • (注2)2009年(平成21年)1月の改正により、「社債、株式等の振替に関する法律」に名称が改められました。

「教えて!にちぎん」の中の関連質問