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先進的計測手法(AMA)を用いて計算したオペレーショナル・リスクに係る所要自己資本の母国・現地における認識のための諸原則

2004年 1月30日
バーゼル銀行監督委員会

日本銀行から

 以下には要旨の仮訳を掲載しています。全文(原文英語)は、BISのホームページ(http://www.bis.org/(外部サイトへのリンク))で入手できます。

  • 2月27日に一部修正し差替えました。

 本テクニカル・ペ−パーは、バーゼル委員会が2004年1月15日付のプレスリリースにおいて公表を予告していたものである。

 オペレーショナル・リスクに係る所要自己資本を計算するための先進的計測手法(AMA)をクロスボーダーで適用する際の実務的な障害については、多くの金融機関がCP3に対するコメントの中で懸念を表明していた。バーゼル委員会は、こうした懸念に対処するため、オペレーショナル・リスクに係る所要自己資本を配分する手法を検討している。検討中の配分手法は、銀行がAMAに基づいてオペレーショナル・リスクにかかるグループ全体の所要自己資本を計算する場合、子会社の所要自己資本を如何に計算するかについて、ひとつの方法を示したものである。

 当委員会は、合意の実施に際して柔軟性が必要であることを認識している一方、そうした柔軟性が合意の基本的な目的、すなわち、銀行が適正な自己資本を保有することを確保するという目的を阻害することがあってはならないという懸念をも抱いている。従って、当委員会はAMAを用いる銀行用に「混合」手法(hybrid approach)を検討している。本手法においては、銀行グループは、監督当局の承認を前提として、国際的に活動する重要(significant)な銀行子会社については単独(stand-alone)でAMAを用いて所要自己資本を計算し、国際的に活動するその他の銀行子会社についてはAMAにより計算したグループ全体の所要自己資本の一部を配分することが認められる。この混合手法においては、国際的に活動する重要な銀行子会社がAMAの適用を希望し、一定の基準を満たすことが出来た場合は、AMAに基づく所要自己資本を単独で計算しなければならない。国際的に活動する重要な銀行子会社は、AMAに基づく所要自己資本を計算するに当り、当該子会社の業務におけるリスク分散効果について十分に根拠のある推計を行い、これを計算に反映させることができる。但し、グループ全体のリスク分散効果を反映させることはできない。グループ全体でAMAを適用することを予定している場合、当該グループに属しているそのような子会社は、計算のプロセスにおいて親会社やグループ内のその他企業の経営資源を用いることが認められる。例えば、グループ・レベルで計算したデータやパラメータを、当該子会社の業務との整合性の観点から調整したうえで用いることができる。国際的に活動する子会社のうち、グループ全体における重要性が認められない子会社は、監督当局の承認を前提として、AMAを用いて計算したグループ全体の所要自己資本の中から配分された額を第一の柱の所要自己資本として用いることが認められる。

 バーゼル委員会は、この混合手法を用いてオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本を母国と現地国の間で配分する場合は、以下の諸原則が監督当局にとって有用な適用指針になると考える。当委員会の新BIS規制実施作業部会(AIG)は、当委員会のリスク管理小委員会と緊密な調整を行いつつ、これらの諸原則を策定した。

 以下の原則は、第三次市中協議文書に述べられているルールと概ね整合的なものとなるよう策定されている。但し、混合手法を第一の柱に組み入れるためには、それを可能にする特別な文言を合意に盛り込む必要があることは明らかである。このため、当委員会は本ペーパーに添付されている文章を検討中である。