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補完貸付先の承認取消しにかかる予告措置の導入について

2005年10月 3日
日本銀行金融機構局

 日本銀行は、「ペイオフ全面解禁後の金融システム面への対応について」(平成17年3月18日公表)において、自己資本比率が基準値を下回った金融機関の経営健全化努力を促すため、補完貸付(注1)の貸付先の承認取消しにかかる予告措置の導入を検討する旨発表しましたが、今般、具体的な措置の内容を下記のとおりとし、本日から実施することとしました。

  • (注1)補完貸付は、日本銀行があらかじめ明確に定めた条件に基づき、貸付先からの借入申込みを受けて、差し入れられている担保価額の範囲内で貸付先の希望する金額を受動的に貸し付ける制度です。

  1. 現在、補完貸付の貸付先である金融機関(以下「補完貸付先」といいます。)の自己資本比率が承認基準(次の(1)から(3))を下回った場合、直ちに補完貸付先の承認取消しを行うこととしていますが、今後、6か月以内に承認基準以上にまで回復する可能性があると認められる場合には、直ちに補完貸付先の承認取消しを行うことなく、取消しの予告を行います。但し、6か月以内に承認基準以上にまで自己資本比率が回復する可能性がないと認められる場合には、直ちに補完貸付先の承認取消しを行います。
    1. (1)金融機関(注2)のうち国際統一基準適用先:8%
    2. (2)金融機関のうち国内基準適用先:4%
    3. (3)証券会社、証券金融会社および短資業者(注3):200%
    • (注2)日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関。
    • (注3)証券会社にあっては証券取引法(昭和23年法律第25号)第52条第1項に基づき算出した自己資本規制比率(外国証券会社にあっては外国証券業者に関する法律(昭和46年法律第5号)第20条に基づき算出した自己資本規制比率。)。証券金融会社および短資業者にあっては証券会社の自己資本規制比率に準じて算出した自己資本比率。
    なお、上記の補完貸付先の承認基準は、上記予告措置の導入後も、変更ありません。
  2. 予告を行った場合の扱いは、次の(1)から(3)のとおりとします。
    1. (1)予告を行った後6か月以内に自己資本比率が承認基準以上にまで回復したと認められる場合には、予告を取消します(この場合、補完貸付先の承認は維持されます。)。
    2. (2)予告を行った後6か月以内に自己資本比率が承認基準以上にまで回復する可能性がなくなったと認められる場合には、その時点で補完貸付先の承認取消しを行います。
    3. (3)予告を行った後6か月以内に自己資本比率が承認基準以上にまで回復しなかったと認められる場合には、予告後6か月を経過した時点で補完貸付先の承認取消しを行います。
  3. 但し、自己資本比率が、次の(1)から(3)に掲げる水準を下回っていると認められる場合には、1.および2.にかかわらず、直ちに補完貸付先の承認取消しを行います。
    1. (1)金融機関のうち国際統一基準適用先:2%
    2. (2)金融機関のうち国内基準適用先:1%
    3. (3)証券会社、証券金融会社および短資業者:100%
  4. 1.から3.までに基づき、補完貸付先の承認取消しの予告または承認取消しを行うために自己資本比率を判断するに当っては、予め、当該貸付先に意見を提出する機会を付与します(ただし、貸付先が自ら作成した資料に基づき自己資本比率を判断する場合を除きます)。

以上


(参考)

補完貸付先の自己資本比率に応じた措置の内容

金融機関

  • 表

証券会社、証券金融会社および短資業者

  • 表