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「日中当座貸越基本要領」の制定等に関する件

2000年10月17日
日本銀行

 日本銀行は、本日開催した政策委員会において、日本銀行当座預金決済および国債決済の円滑化を図る観点から、日本銀行当座預金決済のRTGS化に伴い供与する日中当座貸越等に関し下記の決定をしましたので、お知らせします。

  1. 「日本銀行当座預金決済「RTGS化」の基本方針に関する件」(平成9年4月1日決定)および「日本銀行当座預金決済のRTGS化に伴う日中流動性供与についての基本方針に関する件」(平成12年9月5日決定)を踏まえ、日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日から当座貸越の形態による日中流動性供与を行うこととし、そのため以下の諸措置を講ずること。
    1. (1)「日中当座貸越基本要領」を別紙1.のとおり制定すること。
    2. (2)「日本銀行の当座預金取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)を別紙2.のとおり一部改正すること。
  2. 「国債決済「RTGS化」の基本方針に関する件」(平成10年9月4日決定)を踏まえ、日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日から当座勘定(同時担保受払時決済口)を設けることとし、そのため「当座勘定(同時担保受払時決済口)基本要領」を別紙3.のとおり制定すること。

以上


別紙1.

「日中当座貸越基本要領」

1. 趣旨

 この基本要領は、日本銀行当座預金決済の円滑化を図る趣旨から、本行が当座貸越の形態による日中流動性供与(以下「日中当座貸越」という。)を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。

2. 適用

 「日本銀行の当座預金取引、当座貸越取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)に基づき選定した取引先に対して行う日中当座貸越の取扱いは、別に定める場合を除きこの基本要領による。

3. 担保

  1. (1)取引先から、適格担保取扱基本要領(「通貨および金融の調節として行う与信以外の与信にかかる担保の取扱い等について」(平成12年10月13日決定)記書き1.において準用する「適格担保取扱基本要領」をいう。(2)において同じ。)に定める適格担保を根担保として差入れさせるものとする。
  2. (2)(1)に定めるほか、担保の取扱いは、適格担保取扱基本要領に定めるところによる。

4. 貸越極度額

 3.に基づき受入れた担保の担保価額の合計額とする。

5. 貸越金の返済期限

 日中当座貸越を行った日の業務の終了時(以下「終業時」という。)とする。

6. 貸越金の利息

 貸越金については利息を徴しない。

7. 延滞利息

 終業時において日中当座貸越の残高がある取引先については、当該残高について、基準貸付利率に年6パーセントの割合を加算した利率に基づいて計算した額の延滞利息を徴する。

特例的取扱い

 3.から7.までにかかわらず、業務運営上特に必要と認める場合には、別途の取扱いを行い得ることとする。

(附則)

  1. (1)この基本要領は、日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日から実施する。
  2. (2)この基本要領の実施の日から起算して6か月の間は、終業時において、取引先につき日中当座貸越の残高があり、かつ当該日の前営業日の終業時において日中当座貸越の残高がない場合には、総裁が当該取引先の信用力等につき特段の事情があると認めるときを除き、この基本要領5.の定めにかかわらず、当該日の日中当座貸越の返済期限をその翌営業日の終業時まで延長する。
  3. (3)附則(2)により返済期限を延長した場合には、当該日の終業時における日中当座貸越の残高について、この基本要領7.に定める延滞利息を徴さず、基準貸付利率に基づいて計算した額の延長にかかる利息を徴する。
  4. (4)業務運営上、附則(2)または(3)により難いと認める場合には、これを変更し得ることとする。

別紙2.

「日本銀行の当座預金取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方に関する選定基準」中一部改正

題名中、「当座預金取引」の次に「、当座貸越取引」を加える。

4.を横線のとおり改める。

 4.日本銀行の当座貸越取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方は、日本銀行の当座預金取引の相手方である金融機関等のうち、当座貸越取引、手形貸付取引または手形割引取引を開始したい旨申出た者で、日本銀行が当該申出に応じることが適当でないと認められる特段の事情がないものとする。

別表中、「日本銀行の当座預金取引」の次に「、当座貸越取引」を加える。

(附則)

 この一部改正は、平成12年10月17日から実施する。ただし、当座貸越取引の開始は、日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日以降とする。


別紙3.

「当座勘定(同時担保受払時決済口)基本要領」

1. 趣旨

 この基本要領は、国債決済およびこれに伴う資金決済の円滑化を図る趣旨から、日本銀行金融ネットワークシステムを利用して国債(政府短期証券を含む。以下同じ。)と資金を同時に受渡す取引を行う取引先に対し、当該取引先が受渡しの対象となる国債を譲受けると同時に当該国債を当座貸越の担保として本行に差入れ、または当該取引先が当座貸越の担保として差入れている国債を本行から受戻すと同時に当該国債を受渡しの対象として譲渡す場合に、当該国債の受渡しにかかる資金の受渡しを行うための勘定として本行が提供する当座勘定(以下「当座勘定(同時担保受払時決済口)」という。)に関する基本的事項を定めるものとする。

2. 利用先

 当座勘定(同時担保受払時決済口)は、次の各号の全てに該当する先のうち、希望する先が利用できるものとする。

  1. (1)「日本銀行の当座預金取引、当座貸越取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)に基づき選定された当座貸越取引先であること。
  2. (2)当座勘定取引および国債と資金を同時に受渡す取引について日本銀行金融ネットワークシステムを利用する先であること。
  3. (3)国債振替決済制度の参加者であること。

3. 預り金

  1. (1)利息
    当座勘定(同時担保受払時決済口)における預り金には利息を付さない。
  2. (2)受入れ
    預り金の受入れは、利用先からの依頼に基づく国債の譲渡しと同時に行う資金の入金または当該利用先の当座勘定からの振替により行う。
  3. (3)払出し
    預り金の払出しは、利用先からの依頼に基づく国債の譲受けと同時に行う資金の引落しまたは当該利用先の当座勘定への振替により行う。
  4. (4)業務の終了時までの預り金の払出し
    預り金は、当座勘定(同時担保受払時決済口)にかかる業務の終了時(4.(4)において「当座勘定(同時担保受払時決済口)終業時」という。)までに払出させるものとする。

4. 当座貸越

  1. (1)担保
    1. イ.取引先から、適格担保取扱基本要領(「通貨および金融の調節として行う与信以外の与信にかかる担保の取扱い等について」(平成12年10月13日決定)記書き1.において準用する「適格担保取扱基本要領」をいう。ロ.において同じ。)別表1の1.または2.に掲げる担保(国債振替決済制度に基づき本行に寄託されたものに限る。)を根担保として差入れさせるものとする。
    2. ロ.イ.に定めるほか、担保の取扱いは、適格担保取扱基本要領に定めるところによる。
  2. (2)貸越極度額
    (1)に基づき受入れた担保(以下「同時受払担保」という。)の担保価額の合計額とする。
  3. (3)貸越金の利息
    貸越金については利息を徴しない。
  4. (4)貸越金の返済等
    1. イ.貸越金は、当座貸越を行った日の当座勘定(同時担保受払時決済口)終業時までに返済させるものとする。
    2. ロ.同時受払担保は、当該担保を受入れた日の当座勘定(同時担保受払時決済口)終業時までに受戻させるものとする。
  5. (5)特例的取扱い
    (1)から(4)までにかかわらず、業務運営上特に必要と認める場合には、別途の取扱いを行い得ることとする。

(附則)

 この基本要領は、日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日から実施する。

以上