このページの本文へ移動

先物価格とレポレート、銘柄毎の需給によって国債価格は決まる

1999年中の国債市場の動きを理解するために

2000年10月31日
重見庸典
加藤壮太郎
副島豊
清水季子

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr00j01.pdf 131KB) から入手できます。

要旨

 長期金利の水準は、日々国債市場で取引される国債価格を基準として決まる。国債市場において、どのように国債価格が決定されるのか、また国債価格がどのように変動するのかを理解するためには、国債現物市場・先物市場・レポ市場間の裁定関係や、国債現物各銘柄の需給動向を知る必要がある。わが国国債市場は発行量でみると今や世界で最大の市場規模となったが、流動性等の面ではなお問題が少なくない。本稿は、1999年夏、Y2K問題に対する市場の不安心理等をきっかけとして、本来裁定が働くべき現物と先物の価格が、かつてないほど乖離する状況が発生した経験を題材に、市場間の裁定関係の悪化やイールドカーブの歪み、市場流動性の低下が国債の価格形成に与える影響等を考察する。