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国際的にみた金融取引における担保の利用----デリバティブ取引にかかる担保を中心にして----

2001年 2月27日
齊藤徹
川添敬

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr01j02.pdf 42KB) から入手できます。

要旨

 1990年代に入り、国際的な金融市場において担保を利用した取引が行われることが多くなっている。担保には、取引相手に対する信用リスクを削減する効果がある反面、担保の受渡にかかるリスクが生じたり、ストレス発生時には担保処分行動が相場下落を加速する可能性もある。G10中央銀行の共同スタディでは、こうした担保利用の効果とリスクが議論された。今後、東京市場においても担保の利用が拡大することが予想されることから、本稿では、とくにここ1〜2年で急速に担保が広く利用されるようになったデリバティブ取引に焦点をあて、担保利用上の留意点を考察する。留意点の一つとして、担保にかかるリスクについても、信用リスクや価格変動リスクといった他のリスクと同様、統合的に管理する体制を整える必要があることが指摘できる。