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RTGS化後の国債取引に関する市場慣行について

〜「フェイル慣行」の意義と課題を中心に〜

2001年 7月27日
河西慎
菅野浩之
加藤毅

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr01j07.pdf 44KB) から入手できます。

要旨

 2001年初から実施した即時グロス決済(RTGS)下の決済を円滑に行うため、各種の市場取引・決済に関するルール(市場慣行)が作られた。この際、従来からその必要性が指摘されており、欧米でも一般的な「フェイル慣行」が市場慣行の一つとして整備された。フェイル慣行は、国内の従来の決済実務と大きく異なるため、当初、その意義や仕組みが十分に理解されていない状況がみられたが、最近では市場参加者の間で次第に定着してきている。フェイル慣行を含め、新たな市場慣行は、市場参加者がその合理性への理解を深め、様々な取引を経験する中で徐々に定着が図られるものである。また、その前提として、新たな市場慣行のスムーズな定着を促す制度面や市場インフラ面の整備が不可欠である。フェイル慣行については、例えば、各市場参加者の事務処理体制や国債を利用した即日スタートの資金運用市場などの整備が早期に進められることが望まれる。